研究課題/領域番号 |
19K14138
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研究機関 | 大阪成蹊大学 |
研究代表者 |
芝野 淳一 大阪成蹊大学, 教育学部, 講師 (10758577)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 在外教育施設派遣教員 / 教職経験 / 教職観 / 国際移動 / トランスナショナリズム |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、在外教育施設から帰国した教員の教職観の特徴を把握することと、その構築過程を解明することである。初年度である2019年度は、本研究における分析枠組みの構築と、教員への調査票調査の項目設定に係る基盤づくりを主な目標とした。研究実績は以下の3つにまとめることができる。 第一に、本研究の分析枠組みを構築するために、教育社会学及び異文化間教育学の分野における海外帰国生研究や教師研究を収集・整理した。また、社会学領域における移民研究やナショナリズム研究を収集・整理した。これらの成果の一部として、「海外帰国生:教育問題の変遷と新たな動向」と「国際移動する教師たち:在外教育施設派遣教員について」の二つの論考を出版した。いずれも『移民から教育を考える』(ナカニシヤ出版)に収録されている。 第二に、自身のこれまでの調査を整理し、在外教育施設で働く教員をとりまく保護者や生徒について理解を深め、本研究の分析枠組みの構築に役立てた。これらの成果は、「海外移住する日本人の教育戦略」(『国際教育評論』16号)、「帰還した新二世の『ホーム』をめぐる経験」(異文化間教育学会大会)、「新二世の想像/創造する『日本』とは?」(異文化間教育学会公開研究会)といったタイトルで出版・報告した。 第三に、上記二点の研究成果と既存の調査票の収集・分析をもとに、調査票調査の項目設定に係る基盤づくりを行った。また、調査票調査の実査に向けた準備として、関西地方にある海外帰国生教育に関する団体に調査の協力を要請した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の計画どおり、本研究における分析枠組みの構築と、調査票調査の項目設定に係る基盤づくりを実行することができた。さらに、それらの成果の一部を出版・報告することもできた。したがって、本研究は順調に進んでいると言える。ただし、2019年度末に行う予定であった調査票調査の実査については、次年度に持ち越しとなっている。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は、調査票調査の実査・分析と、インタビュー調査に向けた基盤づくりを行う予定である。ただし、新型コロナ感染症拡大の影響で、調査が予定通りに進まないことが予測される。従来通りの方法で調査を実施することは困難であろう。したがって、実査時期の調整や実査方法の変更をはじめ、状況に応じて柔軟に研究計画を見直していく必要があると考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、前年度末に実施予定であった調査票調査の実査と分析が本年度に持ち越しとなり、実査代と分析ソフト代として計上していた費用を使用しなかったためである。したがって、本年度に調査票調査の実査と分析を実施し、繰り越した金額を使用する計画である。
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