本研究の成果は、第1に施設の支援において、「親」は避けられないものでありながら、結果の良し悪しが想定できない未知の要素として組み込まれていることを明らかにしたこと。第2に児童養護施設内の教育環境における家庭の影響を明らかにしたこと。第3に職員による「家族関係の再構築実践」の一例として、施設職員が親に何を伝えようとしているのか、その詳細を明らかにしたこと。最後に、施設職員の実践を左右するものとして「措置の時期」について考察したことである。これらを通して、「施設と家庭での教育観のすれ違い」と「子どもが措置される年齢」が、施設の文化構築を職員が想定するものとは異なるものとしていることを指摘した。
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