研究課題/領域番号 |
19K14145
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基盤整備センター) |
研究代表者 |
坪田 光平 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基盤整備センター), 能力開発院, 助教 (30735931)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 学業達成 / 集団内比較 / 中国系ニューカマー / 教育戦略 |
研究成果の概要 |
本研究では、中国系ニューカマー第二世代の学業達成過程をインタビュー調査から明らかにするとともに、そのプロセスの異同や分岐をエスニック集団内部の差異に注目して検討した。その結果、親の来日経緯と出身階層には関連が見られ、家族の教育戦略には無視できない違いが示された。とくに親が大卒以上(元留学生など)の場合には親主導ともいえる学業達成過程がみられた一方、親が高卒以下(中国帰国者など)の場合には学業離脱のリスクを抱えていることも示された。大学進学率の高さが特徴ともいえる中国系ニューカマー集団とはいえ、そこには親の来日経緯や出身階層のみならず男女間格差や地域性に留意した慎重な検討の必要性が示唆された。
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自由記述の分野 |
教育社会学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大学進学率の高さで知られる中国系ニューカマー集団に対して、日本国内では「教育熱心さ」というステレオタイプが付与されたり学業達成に「成功的」なモデルマイノリティ集団として見られやすいという問題があった。しかし、集団内部を比較する視点に立つ本研究は、中国系ニューカマー第二世代には順風満帆な学業達成が必ずしも約束されているわけではなく、集団内部に進む階層化に留意することによって学業上のリスクと必要な支援に目を向けるべきことを提起した点で重要な社会的意義をもつといえる。
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