研究課題/領域番号 |
19K14148
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研究機関 | 聖心女子大学 |
研究代表者 |
伊原 小百合 聖心女子大学, 現代教養学部, 特別研究員(PD) (50837490)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 楽器 / 幼児 / 動き |
研究実績の概要 |
本研究は、幼児の主体的な探索を促し、且つその身体的発達に相応しい楽器の特性について明らかにすること、また保育現場における楽器の実践に関して、楽器の選択や配置等の環境構成の観点から具体的な提言をすることを目的とする。研究手法は、幼稚園でのフィールドワークと、幼児が太鼓を叩く際の手の動きの分析が中心となる。 本年度は2回以上の動きの測定を行う予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、実施することができなかった。そのため本年度は、既に得られているデータの見直しと、来年度以降の実施に向けた準備と対策を練る期間となった。 まず、既に得られているデータを見直し、楽器とかかわる幼児期の経験の意義について再検討を行った。見直しは以下の5つの観点から行った。すなわち、1)楽器がどのように探索されたか、2)探索的な経験は音楽的学びに通じるものだったか、3)音楽的学びに通じる場合はどのような学びだったか、4)音楽的学びに通じないものにはどのような経験があったか、5)室内の音環境と楽器の相性はどうであったか、である。また、この検討から得られた知見について、学会誌に投稿し、論文として発表した。 加えて、昨年度までに予備的に実施した状況から、参与観察における適切な環境構成の検討を行った。その上で、次年度以降に使用する予定の数種類の楽器を選定した。選定では保育現場での実践を見据え、各所で実現可能な価格や耐久性にも配慮した。選定した楽器は、次年度以降の参与観察の結果を基に、継続して見直しを図っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は幼稚園でのフィールドワークを主な方法としているが、本年度は新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、フィールドワーク先に足を運べない状況となった。そのため、データを収集することができなかった。よって進捗状況は遅れていると言わざるを得ない。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスの収束が見えないため、今後は感染状況に応じ、感染対策を徹底しながら幼稚園でのフィールドワークを再開する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、研究協力者との計測が不可能だった。次年度は研究協力者への謝金と交通費を支出するとともに、新たな備品(主に楽器類)の購入に充てる予定である。
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