研究課題
若手研究
本研究は、倉橋惣三の保育思想とネル・ノディングズのケアリング論の理論的検討から、乳幼児期の道徳性をとらえる新たな視点を提起することを目的とした。研究の結果、乳幼児期を原則に基づく善悪判断の発達の前段階としてとらえる従来の見方に対して、人間理解の共感的なまなざしの中でケアリング関係を構築するという観点から道徳性をとらえることの必要性が見出された。そこで子ども同士の対人葛藤は、自発的な存在として互いを感じ合い共感的にかかわり合おうとするケアリング関係の構築に通じる出来事としてとらえられた。
保育学・幼児教育学
本研究では、人間の道徳性を個人の資質や獲得する能力としてではなく、関係性の中で立ち現れることとしてとらえるという新たな視点を提起した。そしてその視点から、保育の場における子どもの対人葛藤をいかにとらえてかかわるかについて具体的に明らかにした。この研究の成果は、図書等にまとめるとともに、報告冊子を作成し、園の保育者や保護者、保育関係者に配布を行った。