研究課題/領域番号 |
19K14154
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
金 娟鏡 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (20709852)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 感情変換 / ポジティブ感情 / ネガティブ感情 |
研究実績の概要 |
本研究は、育児に対する感情の全体構造を明らかにするとともに、育児のどのような場面において、どのような感情が喚起されやすいかという観点から、育児の場面と育児感情の関連を検討し、育児支援に有効な知見を提供することを目的とするものである。 2021年度は、国会図書館が所蔵する雑誌記事索引データベースを用いて、育児の場面と育児感情に関連する先行研究の検討を行った。その中で、育児感情のメカニズムに関する示唆を得るため、外界で生じている状況の認識と行為のモニターを通して経験する感情を言語化し、自己評価できるムードメーター(池田,2021)を中心に、パイロット調査を行った。近い将来に親になりうる大学生を対象にWeb調査を実施したところ、ポジティブからネガティブへと変換を感じた40個の感情語、およびネガティブからポジティブへと変換を感じた36個の感情語を得ることができた。ムードメーターは感情を得点化できることから、本調査では変換を感じた感情語を得点化し、その程度の量を表すことができると考えられた。また、同対象者に対して非定型自由記述法によるWeb調査を実施した。具体的には、育児に対してポジティブからネガティブへと感じ方が変わるエピソードおよびネガティブからポジティブへと感じ方が変わるエピソードを記述してもらい、質的統合法(山浦,2012)による分析を行った。これらを昨年度に得られた成果と合わせることで、育児の場面と育児感情の関連を測る調査票を改善することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症拡大により、2021年度は保育現場を介して母親を対象にした調査実施が難しかったため、代替方法を検討する必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
今後、調査対象を親準備性の観点から大学生をも含み、調査を実施するとともに、これまでの研究結果をまとめる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費・謝金のための費用を予算に計上していたが、物品費などに使用する計画である。
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