研究課題/領域番号 |
19K14160
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研究機関 | 仁愛大学 |
研究代表者 |
安彦 智史 仁愛大学, 人間学部, 准教授 (90560475)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | SNS / マイクロブログ / サイバーパトロール / 機械学習 / 薬物 / インターネット犯罪 / ソーシャルマップ |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、近年急速に増加しているマイクロブログ上の薬物取引に対して、実捜査に利用できるサイバー防犯システムの要求仕様を解明することである。本年度は、初年度として研究計画調書に基づくサイバー防犯システムのプロトタイピングをすすめた。具体的な開発内容として、マイクロブログを対象に機械学習を用いて薬物売買を行うユーザの自動抽出を試みている。また、ユーザ間の関係から、薬物売買に興味があるコミュニティを包括的に把握可能なシステムを開発している。本年度に開発したプロトタイプシステムの内容は以下の通りである。 ①ユーザ情報から違法有害情報の提供を行うユーザの繋がりをソーシャルマップで可視化するシステムを構築 ②投稿内容から機械学習の手法を用いたユーザの有害判定を行い可視化 初年度では、上記2項目についてプロトタイプの開発が完了した。有害判定に用いる判定手法については、SVMとRandom Forests、Naive Bays Classifierの精度比較実験を行い、判定精度や取得結果の考察を行っている。本システムによる実験結果を論文誌としてまとめた。論文については情報処理学会論文誌Vol.61,No3,pp.535-543(2020,3)に掲載されている。また、福井県県警の監修の下、上記システムから得られた知見の一部を使用し、福井県サイバー防犯ボランティアと連携を行いながら違法有害情報等に関する啓発本(NET WALKER2020 危険がいっぱい!情報化社会を歩く。)の出版を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画調書では2020年8月までと記載したプロトタイピングが完了している。また、その成果の論文と書籍という形で外部公開できている。その点において、当初の計画以上に進展していると考えられる。ただし、2020年2月以降新型コロナの影響で公的機関との打ち合わせが1回しか行えておらず、また同理由で当初予定してた県の審議会や総務省の連絡会が実施されない可能性がある。そのため、今後研究における詳細設計やプロトタイピングに支障がある可能性を懸念している。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、計画調書に記載した通り、1年目に開発したプロトタイプシステムをよりセキュアで多人数接続できる環境の構築を進める。本研究の目的であるサイバー防犯システムの要求仕様を解明を行うために、複数の機関と連携を行いながら研究を推進していく。ただし、2020年2月以降新型コロナの影響で公的機関との打ち合わせが1回しか行えておらず、また同理由で当初予定してた県の審議会や総務省の連絡会が実施されない可能性がある。そのため、今後研究における詳細設計やプロトタイピングに支障がある可能性を懸念している。オンデマンド会議等を利用して効率的に研究を行う方法を模索する。
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