研究実績の概要 |
近年、スマートフォン(以後:スマホ)を利用したマイクロブログでの被害が増加傾向にある。警察庁が発表した「平成29年におけるSNS等に起因する被害児童の現状と対策について」によると、Twitterに起因する被害児童数は、平成28年中期だと446人に対し、平成29年中期になると695人と約1.5倍に増加しており、ひま部も同様に77人から181人と被害児童数が増加しており早急な対策が求められている。 本研究では、平成30年に明らかにした犯罪ごとの分類データを学習データとし、機械学習(AI)による自動判定を試みた。そして、青少年が安心安全に利用することができるサイバー空間正常化への寄与を目指し、サイバー防犯パトロールシステムを構築した。 システムに用いた学習データについては、薬物関連の情報を中心に1万件以上のデータを新たに収集して作成した。そして、Ramdom Forests,SVM,Naive Bayes Classifierの三つの手法を比較した結果から、最も精度が高かったRamdom Forestsを採用した。構築したサイバー防犯パトロールシステムについては、福井県警察本部より委嘱を受けたサイバー防犯ボランティアの活動として実運用を行い、インターネットホットラインセンターへの有害情報の通報を行っている。本研究分野の特色として、研究システムを開発し、検証・考察すれば終わるわけでは無く、その後の社会実装がもっとも重要な課題となる。本研究では、現在も連携してサイバー防犯に取り組んでいる各種関連機関と協議しながら、実践的なフィードバックを得ながら進めることができたと考える。
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