本研究は,注意欠如・多動症(以下ADHD)傾向および自閉スペクトラム症(以下ASD)の母子相互作用の特徴を明らかにするため,情緒応答性(Emotional Availability:以下EA)の観点から検討した。実際の母子相互作用場面を情緒応答性尺度(Emotional Availability Scales 4th;以下EAS4th)を用いてADHD傾向とASD,定型発達の母子のEAを評価し比較した。その結果,ADHD傾向とASDの母子のEAは定型発達より低いものの,一部,定型発達児の母親と同等の情緒的な質を保つことができている領域もあることが明らかとなった。
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