研究課題/領域番号 |
19K14167
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研究機関 | 作新学院大学女子短期大学部 |
研究代表者 |
設楽 紗英子 作新学院大学女子短期大学部, 幼児教育科, 准教授 (10720633)
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研究期間 (年度) |
2020-02-01 – 2023-03-31
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キーワード | 性役割態度 / ライフコース / 保育者 / キャリアパス / 離職 |
研究実績の概要 |
2021年度は、2020年度に実施した【研究2】保育者の性役割態度とライフコースの調査結果についてまとめ、学会(PECERA2021、日本心理学会第85回大会)で発表した。そして、【研究3】保育系学生の性役割態度の発達その2(生育環境との関連)について調査を開始した。 【研究2】からは、現職保育者の性役割態度とライフコースの間には、独身者で有意に伝統的性役割態度の割合が高いことが示されたものの、既婚者については、性役割態度とライフコースの間には有意な違いは見られなかった。また、平等主義的性役割態度はワーク・ファミリー・バランスに関する仕事価値観と有意な正の関連を示し、保育職継続意思の無さは、平等主義的性役割態度の高さではなく、ワーク・ファミリー・バランス以外の仕事価値観の低さに特徴が見られた。 さらに、現職保育者のライフコースは、概ね、最終学校卒業時の理想通りであり、家庭内の男女の平等性について肯定的でない場合に、平等主義的性役割態度は低くなり、保育職の継続意思も低くなると考えられた。一方で、傾向として、結婚退職や就労継続型のライフコースの場合、家庭内における女性の自律性を肯定している傾向が伺えた。要するに、平等主義的性役割態度の高低に関わらず、家庭内における女性の自律性を肯定していることが、就労継続に何らかの意味を持っているのではないかということが考えられた。 何がこのような違いをもたらすのかを考えた時、一つは、性役割態度の多次元性(e.g., 渡邊、2019)や環境からの影響(Eagly & Wood, 2011)であろう。そこで、【研究3】として、保育系学生の性役割態度やライフコースの構造を検討するとともに、周囲(母親、父親、(進路選択上の)重要他者)の影響との関連を検討することを目的とし、質問紙調査を実施した。この調査については、2022年度も継続して行う予定であり、2022年度以降に成果を発表していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、保育系学生を対象とした質問紙調査を計画通りに実施することができず、十分なサンプル数を集めることができていない。また、2021年度に実施した調査に関しても、終了時期の遅れから分析とまとめが予定よりも遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
調査の実施方法や実施計画を柔軟に検討するとともに、分析の迅速化に努めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の拡大により、研究計画に遅れが生じたこと、また、発表予定であった学会も開催時期や開催方法が変更になったことにより、研究費の使用が研究開始当初の計画通りではなくなったことが大きな理由である。研究計画の遅れを取り戻すために、調査方法等についても変更を検討しており、それに伴い新たな使用計画が発生し、ある程度次年度使用額は本研究課題の中で相殺される見込みである。
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