研究課題/領域番号 |
19K14170
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研究機関 | 昭和女子大学 |
研究代表者 |
黒谷 佳代 昭和女子大学, 食健康科学部, 講師 (50610739)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | フードパントリー / 子ども食堂 / 食支援 / 食育 / COVID-19 / 新型コロナウイルス感染症 / 大学生 / 専門学校生 |
研究実績の概要 |
新型コロナウイルス感染症流行以前の研究計画では、子ども食堂参加者を対象とした調査を実施予定であったが、調査協力施設が子ども食堂開催を自粛していたため、調査は実施できなくなった。一方で、子ども食堂運営者が食料を配布する活動(フードパントリー)を始めるケースが増加している。我々の子ども食堂における調査に、これまで協力してくださった運営者が関わるフードパントリーにおいて、新型コロナウイルス感染症拡大により、生活が苦しくなった大学生・大学院生・専門学校生を対象に利用者の実態及び運営者の想いについて、調査をおこなった。 フードパントリーでは、研究代表者も実行委員として参画し、2021年度末までに4回のフードパントリーを開催した。各回の利用者数は50~70名である。フードパントリーにおける配布食品は、2日分計6食分~3日分計9食分相当の1人あたり3000円~4000円の食品キットとし、日本人の食事摂取基準(2020年版)を参照し、エネルギー、エネルギー産生栄養素バランスに配慮した食品の組み合わせにより食品キットを作成した。さらに、食品キットと連動したレシピ集を合わせて配布した。 第2回目と第3回目のフードパントリーに初めて来た人を対象にアンケートを実施した結果、利用者は一人暮らしの学生が多く、男女ともに、半数以上の人が1日1回以上、自炊をしていた。食生活の困りごととしては、栄養バランス面、献立のレパートリーが少ないことなどがあげられた一方で、普段の食事で重視してることとしても栄養バランスが挙げられた。欲しい情報としては、レシピ、自炊のコツ、栄養バランスのとり方、食品の選び方や保存方法、節約方法などが多く挙げられ、フードパントリーでもらえると嬉しい食品として、野菜、果物が特に多いことが分かった。心身の健康においては、不安やストレスを感じることが多い人が半数以上を占めていることも分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度のフードパントリー利用者の調査において、客観的な食事の評価指標として、野菜・果物摂取量との相関のある、ベジメータによる皮膚カロテノイド指標(ベジスコア)の測定を行う予定であったが、新型コロナウイルス感染症の状況により、密を避け、迅速にフードパントリーの運営を進める必要があったため、2021年度は測定することができなかった。そのため、論文作成に至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
フードパントリー利用者の実態把握に関する調査を継続し、非侵襲的・客観的に野菜摂取状況を把握できるベジメータを活用した食事の評価を実施する。また、当該フードパントリーは、地域住民の寄付を資金源とした活動をしているため、アクションリサーチの手法を用いた継続的な活動方法の検討も並行して進める。成果は、学会や論文にて公表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度、フードパントリーにおけるベジメータ測定が実施できなかったため、次年度使用額が生じた。次年度の測定費用として使用する。
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