日本では低出生体重児の出生率の高さが大きな社会的問題である。低出生体重は母の妊娠前のやせにより増加するが、日本の若い女性にはやせ(body mass index: BMI 18.5未満)が多く、またやせに対する強い願望を持っていることが指摘される。これは胎生期の発育不全を介して、将来的な児の発達に影響する可能性が懸念される。本研究はSGAが幾つかの神経発達マイルストーンへの到達の遅れに関連し、これを介して適応行動の発達に影響することを示唆した。本結果は過度のやせ願望に対する警鐘を鳴らすものであり、今後は児の思春期の実行機能を詳細に評価することでより長期的なリスクの解明が期待できる。
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