本研究は、デジタルな環境さえあれば子どもたちが楽しみながら学べる環境の構築を目指している。特に、遠隔系の学習ではインタラクションやフィードバックの効果が有効として認識されている。本年度は、インタラクションやフィードバックをする際、匿名性の効果が影響するのか検証した。 キャラクター化は個人の匿名性が強くなることを意味しているため、匿名性がある条件とない条件で効果に違いが現れるか調べた。本研究の結果から、創造性においてデータの違いが現れていた。さらに、デジタルな環境でインタラクションを促進する上で子どもたちにキャラクター(アバターのような個人的特性)を持たせることが有効なのか検証した。キャラクター化した大人と子どもがインタラクションをするのではなく、子どももアバター化して匿名化することがインタラクションの効果を向上させると期待された。予備調査の段階ではあるが、いずれの予備的調査も統計学的に効果の違いがあり、条件間の差は有意だった。これらの予備的調査の結果から、大人だけでなく、子どもにおいても、匿名化を含むインタラクションに効果があることが示唆された。大人と子どもの両方向からデータを得ており、どのような条件下で効果が最も高くなるのかを検証するための枠組みを現在構築している。また、スマートフォンを用いた探索時間・探索過程を探るツールを用いて、実際にイベントを開いて利用してデータを得ており、現在、データを分析している。
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