研究課題/領域番号 |
19K14179
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研究機関 | 目白大学 |
研究代表者 |
阿久津 美紀 目白大学, 人間学部, 助教 (50823449)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | アーカイブズ / 記録管理 / 児童相談所 / 公文書館 / 子どもの権利 / ケアリーヴァー |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、社会的養護に育つ子どもの知る権利を保障するために、どのような記録管理やアクセス支援があれば、必要な時に子どもたちが記録へアクセスできる体制を拡充できるのか、その方法や制度についての実態把握を目的とする。そのために、児童相談所等の自治体が管理する記録を対象に、記録管理と記録へのアクセスについて分析を行う。1年目の今年は、秋田県や沖縄県をはじめとした国内の公文書館や児童相談所において、社会的養護に育つ子どもに関する記録とその管理の調査を行った。児童相談所が扱う社会的養護に関する記録の管理には、大きく3つの課題(①記録の保存年限が統一されていない、②公文書管理法や制度が抱える矛盾、③個人情報保護法の自己情報開示と公文書管理法の歴史的公文書の公開)があることが確認された。この調査結果を踏まえて、児童相談所と公文書館・文書館を対象とするアンケートの質問項目を作成し、実施した。全国の児童相談所からの回答率は、30%弱にとどまり、児童相談所が設置されている都道府県の文書館・公文書館からの回答率は、87%であった。来年度は、回収したアンケートを集計し、国内における社会的養護の子どもに関する記録管理について、その実態を分析していくとともに、国外の類似する記録の管理の実態と状況を知るために、海外の公文書館の調査を進める。また、記録管理に携わる専門家との意見交換を行うために、国際学会での報告を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度実施を予定していたアンケートのための事前調査とアンケート調査については滞りなく実施できた。しかしながら、年度末に予定していた調査が、新型肺炎の影響で中止となった。また、来年度に発表を予定して申し込みをしていた国際学会2つが翌年度に延期になったため、今年度については研究進捗に影響はなかったが、来年度の影響は避けられない見通しである。
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今後の研究の推進方策 |
新型肺炎の影響で、年度末の現地調査などが中止となり、新年度に参加予定であった国内・国際学会も延期になっている。現在の状況でできることを進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末に予定していた調査出張が、新型肺炎の影響で移動が制限され、中止となったため、当初予定していた金額を執行することが難しくなった。
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