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2022 年度 実施状況報告書

自閉スペクトラム症児における「他者との同期」現象の定量化

研究課題

研究課題/領域番号 19K14189
研究機関熊本保健科学大学

研究代表者

井崎 基博  熊本保健科学大学, 保健科学部, 准教授 (60780210)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード心の理論 / 視線 / アイトラッカー / 2次的信念 / 心的状態
研究実績の概要

研究① 定型発達児とその親の視線の同調
親子の会話場面と親子の協同課題場面での同調について調べるために、視線の分析を行った。小学2年生の子どもとその親のペア24組からデータを収集できた。親子の会話場面および共同課題場面での視線の分析の結果、子どもから親に語り掛ける場面、課題が困難な場面、課題に達成した場面で親子の視線が同調しやすかった。それ以外の場面では個人差が大きく、同調が起きやすい親子と起きにくい親子がいることが分かった。
研究② 親子の同調と親の語りと子どもの心の理論の関係
幼児期の親子の会話において心的状態について話題にすることは、心の理論の発達に影響を与えると考えられている。しかし、心の理論がさらに発達する学童期において、親子の会話が2次的信念の理解に影響しているのかはよくわかっていない。そこで、小学2年生の子どもを持つ親の心的状態についての語りと子どもの2次信念の理解に関する課題の回答の関係について明らかにした。①の協同課題場面において、親の語りに特徴があることが分かった。親が親自身の心的状態について言及した発話の量を測定した。心的状態についての語りが多かった親(P-High群)と少なかった親(P-Low群)に分けた。P-High群が10名、P-Low群が14名になった。P-High群のほうが視線の同調が生起しやすかった。P-High群の子どもはP-Low群の子どもに比べて2次信念に対する言及が多かった。つまり、親子の会話において親が親自身の心的状態について語ることを通して、子どもの心の理論の発達が促進されると考えられる。
2022年度内に研究をまとめることができなかったので2023年7月の日本コミュニケーション学会にて研究をまとめて報告する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

実験データ収集が遅れているため、全体的な研究計画が遅れている。
2022年8月に自閉症スペクトラム障害児へのデータ収集を行う予定であったが、COVID-19の影響で予定していた施設からの許可が下りなかったため、データ収集が遅れている。比較群である定型発達児のデータ収集は全て完了したので、定型発達児の分析から行い、学会等で発表することとなっている。

今後の研究の推進方策

COVID-19が5類に変更したことをきっかけに、自閉症スペクトラム障害児のデータを収集することができるようになり、2023年7-8月に実験を再開する。実験内容は2022年度に定型発達児に行った内容と同様のものを行う。2022年度中までに実験に必要な物品は全て購入済であるので、今年度は予定通り研究を進めることができる。

次年度使用額が生じた理由

本来は2022年度に実験を行い謝礼として支出する予定であったが、COVID-19のため実験が2023年度に延期となった。そのため、2023年度は実験協力者への謝礼(QUOカード)及び研究発表のための学会参加費として使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 小学2年生における心の理論の発達と会話場面での親による心的状態の語り2023

    • 著者名/発表者名
      井﨑基博
    • 学会等名
      第49回日本コミュニケーション障害学会
  • [図書] よくわかる!言語発達障害の臨床2022

    • 著者名/発表者名
      井﨑基博
    • 総ページ数
      94
    • 出版者
      医学と看護社
    • ISBN
      4909888306

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公開日: 2023-12-25  

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