本研究の成果は、自閉症スペクトラム障害(ASD)児のコミュニケーション特性を他人と同調することが困難であるとする自閉スペクトラム症(ASD)児の生体機能リズム障害説の観点から、ASD児にとってコミュニケーションを同期させやすい環境があることを明らかにしたことである。 いくつかの実験を通して、ASD児と親との視線の同期が起こりやすい環境があること(視線の同期にとっては、選ばれる話題や選ばれる絵本の種類が重要である)、ASD児は年齢が高くなると視線の同期が起こりやすくなることが分かった。加えて、親子の調和的な会話が子どもの心の理論発達を促進することも明らかにしようとしたが、さらなる研究が必要である。
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