研究課題/領域番号 |
19K14199
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
高阪 将人 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成・院), 講師 (50773016)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 理科と数学の関連付け / STEM / アフリカ / 理数科教育協力 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,理科と数学を関連付ける4つの方法(①学習内容の統合プロセス,②考え方の統合プロセス,③学習内容の比較プロセス,④考え方の比較プロセス)における授業を具体化するとともに,各授業において育成が目指される資質・能力の関係性を明らかにし,その関係性に基づいた教育プログラムを開発することである。 2020年度は理科と数学を関連付ける各方法における授業について,STEM Road Mapカリキュラムにおける,カリキュラムの構成論,具体的な教材例に着目し分析をした。その結果,授業を開発する視点として次の3点が明らかとなった。①理科と数学のシラバスでの位置づけ:STEM Road Mapカリキュラムでは,STEM領域の知識・技能と各スタンダードとの対応が明示化されており,各教科とのつながりを明確にする工夫が行われている。そのため,理科と数学を関連付ける授業においても,各教科のシラバスとの対応を明確に位置付けていく必要がある。②学年を通して探究していくテーマの設定:STEM Road Mapにおいては,K-12を貫く5つのテーマが設定され,領域横断的かつ一貫した学習を可能としている。そのため,アフリカの文脈に応じた学年を貫くテーマの設定が必要である。③長期的な単元の構成:資質・能力の育成には,長期的な学習過程が求められており,STEM Road Mapにおいても,各モジュールが5週間25コマで構成されている。そのため,理科と数学を関連付ける授業においても,長期的な視点から単元の構成が必要である。 また,新型コロナウイルス感染症の影響から,アフリカへの渡航が困難であることから,Web会議ツールを用いてマラウイの現地教育省関係者及び現地教員養成大学教員と協議を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでの研究を通して,STEM教育に関する先行研究や先進的な事例について,その実態や教材の特徴・特性が明らかになりつつある。当初予定していた,米国のSchool Science and Mathematicsの学会誌やSTEM教育に関する国際誌International Journal of STEM Educationの分析に加え,米国にて開発されたSTEM Road Mapカリキュラムにおける,カリキュラムの構成論,具体的な教材例の分析から,授業を開発する際の視点を導出することができた。 しかしながら,新型コロナウイルス感染症の影響から,2020年度に予定していた現地調査を行うことが困難であり,Web会議ツールを用いた研究実施体制の構築に時間を有することとなった。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画では,2021年度はアフリカにおける実態把握調査の結果を踏まえ,教育プログラムを開発予定であった。しかしながら,新型コロナウイルス感染症の影響から現地渡航が難しい可能性がある。そのため,Web会議ツールも併用し現地研究協力者と協働で研究を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響から,アフリカでの現地調査が困難であったため。
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