研究課題/領域番号 |
19K14207
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研究機関 | 福岡教育大学 |
研究代表者 |
坂井 清隆 福岡教育大学, 大学院教育学研究科, 准教授 (50802849)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 単元展開の様相ー解釈 |
研究実績の概要 |
本研究は、単元計画と実際の展開との差異に着目し、教師自ら開発した単元の意味や特徴、子供の関心事やこだわりを適切に捉えて単元展開に生かそうとする 実践上の意思決定の姿を明らかにすることを目的とする。上記の研究目的を達成するために,申請時には以下のような実施計画・方法をもって取り組むこととした。 (1) D-OODAサイクルモデルの検討と教師の単元展開に総合的に働く諸能力の析出及び「単元の様相―解釈」の枠組みの提示 (2) 研究協力者による実践及び「単元の様相―解釈」を行うための分析資料の作成 (3) (2)の資料をもとにした研究協力者のとの検討会の実施,及び教師の実践的なD-OODAサイクルに関する考察と検討 今年度は、前年度の実践を更に深く掘り下げて、特定の児童の学びの様相やその意味について、実践者と協議しながら明らかにしていった。具体的には、M教諭にとって苦手なタイプの子であったC児に対して,学習の中で生起したC児の個別的な経験に接近し,単元を展開したことによって,学習内容の追究を深いものにし,さらにC児への理解を深めたことは重要な意味をもつものであった。また,C児の発言に目を向けると,「みんなの願いを実現すると言うけど,実現できる願いとできない願いの違いはどこにあるのか」という問いは,今後の追究の可能性を秘めた重要なものであった。加えて,発表者の「傍目八目」としての観察を通して,自覚的にM教諭に関わったことによって,C児の発言を軸としながら単元を展開していくことを随時アドバイスしたことが,M教諭の能動的な単元展開への自信につながっていったことが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍において、予定していた授業実践の参観等が、ほぼ出来なくなった状態である。 ただ、前年度の実践について、学習者の視点からさらに深く掘り下げることができたことは、大きな成果であった。この成果に関しては、教育方法学会で発表を行った。また、福岡教育大学研究紀要に論文投稿を行った。
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今後の研究の推進方策 |
2021度は、密を避け、コロナ感染防止において最大限の注意を払いながら、対象としている授業実践の観察・記録・分析を行い、研究のまとめを行う予定である。できるだけ複数の事例を調査し、分析を行う予定である。具体的には、K小学校のE教諭(新規採用三年目)及びG小学校D教諭(十三年目教諭)A小学校のT教諭(十二年目教諭)の授業実践に基づきながら、考察と研究のまとめを行う予定である。またそれと同時に、日本教育方法学会での学会発表と論文投稿を行う予定である。さらに、免許更新講習や校内研究会においても、本研究の成果の一部を発表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
国際学会(WALS)での発表を予定していたが、コロナ禍で対面での学会開催が中止となった。
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