研究課題/領域番号 |
19K14226
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
小泉 匡弘 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (80734839)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 教員養成 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,技術科熟練教師の実践知,すなわち,「みえる」事実と一体化しした教育技術を表出し,教員養成においてこれらを学生に伝承する授業研究方法を開発することである。研究方法の1つとして,授業者,学習者,参観者にウェアラブルカメラを装着させ主観的な映像を録画し,その映像を基にした三者のリフレクションを行うことで,授業に活きる教育技術を多角的に表出することを試みた。これまでは,教員養成課程で行う模擬授業の中で,授業者および学習者の学生,参観者である熟練教師の主観的な映像を録画し,これを基にした模擬授業のリフレクションを行った。これらから学生の課題となる教育技術および授業に対するリフレクションの内容と意味構造を明らかにし,その課題解決の手立てを検討した。授業者の学生は,不安と緊張の中,生徒の学びに合わせた教育方法,さらに,本時の学習の履歴となる板書,目標を達成するための適切な時間配分,既習事項と本時のストーリー性のある学習内容を主に意識し授業をデザイン・実施しようとする。しかし,自身の話す力不足および学習者との対話における予想外の出来事により計画と実際にズレが生じ修正できずまま授業を終えてしまう。これより,学生には,発問の仕方や板書などの直接的な行為となる教育技術に加えて,行為の背景にある教科のオーセンティックな問題設定や教育方法を支える実践の中の理論などを学ぶ機会が必要であると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
熟練教師の実践知を解明する方法として,複数の中学校での熟練教師の研究授業とそのリフレクションを行う予定であった。しかし,COVID-19により,中学校での授業のオンライン化や学校外部者の入構の制限などにより,実地調査を行うことが困難を極めたため。
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今後の研究の推進方策 |
中学校での授業研究を進めるため,COVID-19に対する感染防止体制を徹底するとともに,データ収集におけるメディアの活用方法を再計画する。また,これまでの音声記録や映像記録を異なる方法で再分析することで成果報告の多様化を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19により予定していた中学校における授業研究が行えなかったため,これに関わる旅費の支出がなかった。また,データ収集が十分でなかったため,授業研究の音声・映像記録のデータベース化も行えなかった。次年度使用額はこれらに関わる旅費およびワークステーションの購入に使用する。また,研究成果の学会発表,論文作成に関わる費用として使用する。
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