研究課題/領域番号 |
19K14229
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
花園 隼人 筑波大学, 人間系, 特任研究員 (60816495)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 数学教育 / 美しさ / 教授方法 / 文化 |
研究実績の概要 |
本研究では,数学の美しさを普遍的な美と文化的な美の二つに大別した上で,後者の文化的な美の教授方法を解明することを目的とした実証的・実践的な研究を展開している。特に本研究課題では,この文化的な美をそなえる数学的対象として数学的証明や数学的定義,数学的体系に焦点化し,中学生や高校生によるこの美しさの感得を促す方法について検討している。 2019年度は当初の予定どおり,調査の計画に関する理論的考察を中心的に行い,この考察を完了することができた。具体的には,調査課題の開発及びその課題を用いた教授実験の計画を立案し,この調査についての研究倫理審査を所属機関で受けた。調査課題は中学生を対象とするものと高校生を対象とするものをそれぞれ開発した。この課題は教授実験の形態の調査で用いることを意図している性格上,学校における授業実践のための教材として転用可能なものである。また,教授実験における教授的介入の計画は,数学科授業における教師の役割に転用することを意図したものであり,対象人数に大きな差があるものの,基本原理として基盤を与えうるものである。 一部の調査課題については2019年度中に調査を実施する予定であったものの,新型コロナウイルスの感染拡大防止のために調査対象予定の学校が休校になり,この調査は2020年度に持ち越しになった。したがって,当初計画していた調査課題を用いた調査の実施と併せて,学校再開後に調査を実施することとする。 また,研究成果発表のために論文を国際学会に投稿したものの,新型コロナウイルスの影響で参加予定の学会が延期になったた。今後の研究会・学会等の対応を踏まえて発表計画を再考する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの影響で,2019年度に実施予定であった調査が実施できなかった。また,2019年度中に申し込みをした学会が延期になり,研究成果の発表の計画を再考することになった。
|
今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスの影響で実施できなかった調査課題については2020年度に実施することで問題なく補完することが可能である。したがって2020年度はこれらの調査を学校再開後に実施し,その結果の分析を行う。ただし,この調査は調査対象者との対面で行うことが必須であるために,具体的な日時等の計画は今後の動向に応じて柔軟に決定する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
参加予定であった海外の研究発表大会に所属機関の事情で不参加となり,その分の旅費と準備のための英文校閲の費用が未使用になった。 2020年度における研究費の主な用途は国際学会参加に係る旅費等であったが,新型コロナウイルスによるパンデミックによりこれらの学会の多くが開催を次年度に延期している。このことを受け,当初予定していた学会発表ではなく学術誌への投稿によって研究成果を発表する方針に変更し,繰越し分とあわせて助成金を使用する。
|