| 研究課題/領域番号 |
19K14234
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| 研究機関 | 信州大学 |
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研究代表者 |
篠崎 正典 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (80705038)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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| キーワード | 成立期社会科 / 学習指導 / 文部省指定実験学校 / 長野師範学校附属小学校 / 児童研究 |
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| 研究実績の概要 |
本研究は，我が国の成立期小学校社会科学習指導の実施基盤の形成過程について，戦後初期に文部省指定実験学校として社会科学習指導を確立した長野師範学校男子部附属小学校（以下，長野男子附小）が，戦前・戦中期に「児童研究」に基づく学習指導を形成した過程，並びに，それが社会科学習指導の確立に与えた影響の分析を通して明らかにするものである。
本年度は，（１）大正期・昭和初期の長野男子附小における実験心理学の導入に関わる史料の収集・整理，（２）収集・整理した史料の分析，の2点を行った。主な成果は，次の通りである。（１）については，大正期から昭和初期にかけて長野男子附小関係者が発表した研究紀要，論考，職員会誌等をはじめとする関係史料を収集し，史料の複写とデータ化を通した整理を行った。（２）については，収集した史料の内容を指導者の心理学者杉崎瑢（1877-1943）による指導内容，長野男子附小の教員による学問研究と学校内での教科研究の動向，研究学級における実践研究の動向等との関わりに着目して分析を行った。その結果，長野男子附小の教師たちが発表した論考や記録に，心理学や新教育に関わる知見の影響が確認でき，当時，アメリカ経由で実験心理学やアメリカの教育情報の受容が行われていたことが明らかになった。同時に，県内の教師たちによる教育実践研究の動向を各教育会の研修会や教育雑誌等を通して検討すると，当時，教師による心理学に関わる研究や心理学の知見を活用した教育実践が盛んに行われていたことも確認できた。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画通りに研究を遂行できたことによる。
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| 今後の研究の推進方策 |
次年度以降も新型コロナウイルスの影響で研究遂行上での制約が生じることが予想されるため、次の2点での克服を考えている。第一は，感染予防に努めながら関係史料の収集を進める。第二は，本年度中に公表できなかった研究成果を雑誌論文や学会発表にて行う。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
当初計画で見込んだよりも安価に研究が進んだため，次年度使用額が生じた。次年度使用額は令和3年度請求額と合わせて消耗品費として使用する予定である。
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