研究課題/領域番号 |
19K14240
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研究機関 | 鳴門教育大学 |
研究代表者 |
大林 正史 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (40707220)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | コミュニティスクールの運営 / 社会参加志向 / 地域づくり学習 |
研究実績の概要 |
2019年度まで実施した科研費研究「社会経済的背景の厳しい地域における『効果のある地域運営学校』の運営モデル構築」における2012年4月時点でCS(コミュニティスクール)に指定されていた小中学校を対象とした質問紙調査により、次の3点が明らかになった。 ①「教職員が、生徒が地域で慈善活動に取り組む学習を計画的に指導した」について、「とても当てはまる」と回答した中学校は、23.8%であった。②それに対して、「教職員が、生徒が地域で起こっている問題を批判的に分析し、それらの問題の解決に取り組む学習を計画的に指導した」について、「とても当てはまる」と回答した中学校は、5.0%にとどまった。③上記②について「とても当てはまる」と回答した学校に対して、その具体を自由記述にて尋ねたところ、唐木(2010)が記述している米国での地域の「変革」を目的としたサービス・ラーニングに近い教育実践を実施している学校は見られなかった。 2019年度には、本科研費研究において、上記の質問紙調査で得られた「変革」を目的としたサービス・ラーニングに近い教育実践を実施している中学校を把握した上で、それらのCSの生徒を対象に、木村充・中原淳 (2012)が開発した「社会参加志向」尺度による質問紙調査を実施し、社会参加志向の増加が大きいCSと、それが小さいCSを特定する予定であった。しかし、上記の通り、「変革」を目的としたサービス・ラーニングに近い教育実践を実施している中学校を特定することができなかった。 そこで、2019年度に、学会において地域づくりの実践に市全体で取り組んでいる事例を発表していた現職の校長に、2020年度のはじめとおわりに、計画していた質問紙調査の実施を依頼し、了解を得た。 しかし、2020年3月末現在、新型コロナウイルスの影響により、この質問紙調査の実施が困難になっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2019年度の主な目標は、「変革」を目的としたサービス・ラーニングに近い教育実践を実施している複数のCSを特定し、年度初めと年度終わりに、木村充・中原淳 (2012)が開発した「社会参加志向」尺度による質問紙調査を実施することを通して、社会参加志向の増加が大きいCSと、それが小さいCSを特定することであった。しかし、上記の通り、そのようなCSを特定することができなかった。 そこで、2019年度に、学会において地域づくりの実践に市全体で取り組んでいる事例を発表されていた現職の校長に、計画していた質問紙調査の実施を依頼し、了解を得た。 しかし、2020年3月末現在、新型コロナウイルスの影響により、上記の質問紙調査の実施が困難になっている。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度には、数校の中学校において、年度のはじめとおわりに、全生徒に対して「社会参加志向」尺度による質問紙調査を実施する予定である。しかし、新型コロナウイルスの影響により、この質問紙調査の実施が困難になっている。そこで、現在、今後の新型コロナウイルスの感染の推移によっては、2020年度に行う予定であった量的調査を、2021年度に延期せざるを得ないかもしれないと考えている。 一方で、理論研究の実施は可能であると思われるので、理論研究の実施に重点をおいて、研究を進めていく見通しである。
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次年度使用額が生じた理由 |
上記の通り、2019年度に予定していた調査を実施することができなかった。よって、調査票の印刷、発送、データ入力等を業者に依頼するための「その他」経費を予定通り執行できず、次年度使用額が生じた。 2020年度には調査を実施し、「その他」の経費を執行予定である。しかし、新型コロナウイルスの影響によっては、2021年度にこの調査を実施することになる可能性がある。
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