研究課題/領域番号 |
19K14260
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
永井 敦 広島大学, 森戸国際高等教育学院, 特任助教 (00814310)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 留学 / 効果測定 / 短期留学プログラム / 客観的 / BEVI / 混合研究法 / 縦断的研究 |
研究実績の概要 |
本研究では、量的データと質的データから多角的に、短期留学プログラムの効果測定および、観察された効果の持続性の検証に取り組むものである。本研究の特色として、BEVI(Beliefs, Events, and Values Inventory)という、アメリカの心理学者チームによって開発された信頼性と妥当性の高い心理尺度を用いることが挙げられるが、これにより、従来の留学の効果測定研究分野の弱みであった、客観性の高いデータの収集が可能となる。また本研究ではこの量的な尺度に加え、インタビューによる質的データも組み合わせている。この混合的な研究デザインにより、量的データだけによる分析の限界を克服し、より妥当な事象の解釈を目指している。
本年度は研究計画どおりデータ収集を主目的としており、研究協力者である大学生から、留学前と留学後の2時点での量的(BEVI)・質的(インタビュー)データを10名程度から収集した。また、当初の計画には無かったが、研究開始後に発達心理学で着目されている「ダイナミック・システムズ・アプローチ」に着想を得て、ケース・スタディを行うため、2名の大学生から留学中も複数回、定期的にデータを集め、より細かなレベルで縦断的に留学の効果を分析ができるようになった。
初年度はこれらの研究データの収集に加え、得られたデータの予備的分析を行うことで、2つの学会発表(国内および国外)につなげることができた。次年度(最終年度)は継続的に縦断的データを収集しつつ、より精密なデータの解析を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
おおむね当初の計画通りのペースで研究は進んでいるが、研究協力者の数が予定よりも少なくなったことや、また、当初の計画では、留学前・留学後のデータを分析した研究論文を年度内に学術誌に投稿する予定であったが、それができていないため。
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今後の研究の推進方策 |
計画の遅れを取り戻すため、本年度に完了できなかった論文の執筆と投稿を迅速に行う。また、偶発的に着想を得た新たな理論「ダイナミック・システムズ・アプローチ」を応用して、ケース・スタディを行い、論文の執筆と投稿をすることで、計画の遅れを補完する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型ウイルスの影響で、前倒し請求分にて購入予定であった海外書籍の納品が年度内に間に合わず、予定していた予算の執行ができなかった。ただ、研究遂行に支障はなく、次年度の予算として使用予定である。
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