本研究は、歯学部生の成績を導く要因について、従来の研究で散在していた要因を同時に扱い、要因間の関連性について解明することを目的としている。人間の認知・感情・行動の側面を同時に扱い、歯学部生の成績にどのように影響を与えるのかを解明した。結果として、「いら立ち感情」の感情的側面は成績の悪化を招くものの、「先延ばし行動」の行動的側面には歯学部生の成績との直接的な関連を見いだせなかった。成績上位者の特徴として、「勉強が好きである」などの感情的な側面が有意に成績と関連していた。認知面は、人生全体における明確な目標を表す「有意味感」方略が、歯学部生の成績を予測する要因であることを見いだした。
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