研究課題/領域番号 |
19K14273
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
多田 泰紘 関西大学, 教育開発支援センター, 研究員 (40813663)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | アカデミック・ライティング / 学習支援 / 学生アスリート / ライティングセンター / 遠隔授業 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、学生アスリートの大学入学までの学習経験および大学入学後の学習への不安や課題、学習環境、学習時間、コンピテンシーなどの学習特性を明らかにし、これらに即したアカデミック・ライティングの学習支援モデルを構築することである。そのために、大規模総合大学A大学の学生アスリートを対象に、1) アンケートやヒアリングなどにより学習特性を明らかにし、2) 正課外講座、個別指導、自習用教材を組み合わせた学習支援モデルの開発と、3) 文章課題のパフォーマンスの直接評価とアンケート、ヒアリングによる間接評価を用いた効果検証を行う。 3年の研究全体の流れは以下のとおりである。2019年度(1年目)は「学生アスリートの学習特性の調査」およびその結果をもとに「学習支援モデルの開発」に着手する。2020年度(2年目)は引き続き「学生アスリートの学習特性の調査」と「学習支援モデルの開発」に加えて、2019年度に開発したモデルの効果検証を行う。2021年度(3年目)は上記課題を継続するとともに、他大学の学生アスリートを対象とした調査・分析を行い、広く学生アスリートに適応可能なモデルを完成させる。 2年目の2020年度は、2019年度に行った学習支援モデルの効果検証を行った。その結果、学習者の意識・意欲の改善と、実際のレポート等文章作成能力の向上が確認された。 また、コロナ禍により遠隔授業の導入が行われたため、本研究内の正課外講座および個別指導も遠隔で行い、遠隔による学習支援モデルの効果を計測した。その結果、遠隔による学習支援は、対面でのものより効果が出にくいことが示された。これは、学生アスリートの学習に対する考え方やアプローチによる影響が考えられたため、今後さらに分析を進める予定である。 また、学習支援モデルの効果検証を俯瞰的に判断するため、過年度に学習支援を受けた学生の追跡調査を開始しした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、学生アスリートの学習特性の調査と学習支援モデルの開発を行うことができている。また、遠隔での学習支援データを加えて分析することで、より多様な視点でモデルの効果検証を行うことができている。 学習支援を受けて時間が経過したのちの影響を明らかにするため、過年度受講生を対象としたヒアリング調査を実施している。
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今後の研究の推進方策 |
計画通り、2021年度(3年目)は引き続き「学生アスリートの学習特性の調査」と「学習支援モデルの開発」に加えて、過年度受講生を対象としたヒアリング調査を継続する。 また、1年目と2年目に蓄積されたデータをもとに、他大学の事例等と比較して、広く学生アスリートに適応可能なモデル構築を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により当該年度に予定していた、他大学への調査・情報収集に係る旅費およびそれら収集データ分析の人件費や分析用設備備品費を使用しなかったため。本年度余剰分は次年度以降の調査・分析に係る費用に充てる予定である。
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