研究課題/領域番号 |
19K14273
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研究機関 | 京都橘大学 |
研究代表者 |
多田 泰紘 京都橘大学, 経営学部, 専任講師 (40813663)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 学生アスリート / アカデミックライティング / 学習支援 / ライティングセンター |
研究実績の概要 |
本研究は、スポーツ推薦入試等を経て大学へ入学し、競技活動と学業を両立する学生(以下学生アスリート)を対象に、アカデミックライティングに関する正課外学習支援を開発し、その効果を調査・分析するものである。 2022年度は、アカデミックライティングに関する正課外での講習会とライティングセンター(WRC)での指導を受けた学生アスリートのライティング力や学習方略に対する効果を明らかにした。 まず、大学1年次にライティング学習支援を受講した学生アスリート4名に対し、およそ1年後にインタビュー調査を行った。次に、グラウンデッドセオリーに基づくデータのコード化とコアカテゴリーの抽出を行った。最後に、学生アスリートのライティングスキルやライティングの学習状況について概念の構造化(図式化)を行った。 分析の結果,250のセグメント(文を基準とした切片)から11のコアカテゴリーが得られ、過去の学習支援と現在のライティング力や学習方略との関連性が明らかとなった。学生アスリートは1年次に受講した講習会やWRCで受けた指導の内容を記憶しており、そこで得たライティングの知識や技術を学部の文章作成課題へ活用していた。その一方で、学部のカリキュラムの特性からライティング学習の経験に偏りが見られた。しかしながら現在の学習経験や自身のライティング力についての省察が見られるなど、知識・技術の不足を補う意欲とWRCや大学図書館の活用といった行動を取るなど、アカデミックライティングに関する自己調整学習への展開が示唆された。 上記調査・分析結果についてまとめ、大学教育学会誌へ投稿した(2023年5月6日時点で採録語印刷中)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究計画で予定していた、1)学生アスリート向けライティング学習支援の開発と実施、2)学習支援効果の調査と分析、および3)その成果の公開について、1)および2)が完了している。また、3)について学術論文にまとめ投稿を行い、現在、採録後印刷中である。
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今後の研究の推進方策 |
学生アスリートを対象としたアカデミックライティングに関する学習支援の効果について、他大学と情報共有や意見交換を行い、必要に応じて開発した学習支援の修正や改善を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大の影響により、他大学への調査およびヒアリングが困難であったこと、および学会等のオンライン化により当初予定していたよりも旅費への支出が減少したため。
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