研究課題/領域番号 |
19K14276
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
千葉 美保子 甲南大学, 共通教育センター, 講師 (20792625)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 歴史教育 / 歴史的思考力 / アクティブラーニング / 授業デザイン / ルーブリック |
研究実績の概要 |
本研究は、大学歴史教育におけるアクティブラーニング型授業のデザインと評価基準であるルーブリックの開発およびその検証を行うことにより、大学教育における歴史分野の実践知の蓄積および学習成果の可視化を目指すことを目的としている。 2020年度は実施計画の通り、本研究の3つのフェーズのうち、フェーズ(2)「授業デザインの構築、その実践と評価」への着手に向け、予備的調査とし2019年度に実施した歴史系科目担当者を対象としたアンケート調査結果の分析、およびアンケート調査協力者からさらに任意でのインタビュー調査を実施した。 インタビューは対面実施が叶わなかったため、2020年10月~12月にかけて、協力者10名を対象にWeb会議システムを用いたWebインタビュー形式で実施した。 以上の2つの調査を通じ、歴史系科目担当者から見た、教養教育、専門教育それぞれの歴史系科目において身につく資質・能力、また、高校および大学それぞれにおける歴史的思考力の概念、さらに歴史系科目の要素について、そして教養教育・専門教育それぞれの授業形態について聞き取りを行い、詳細な分析を進めることができた。 加えて、2020年度はコロナ禍において各大学の授業形態が大きく変化した。インタビュー調査協力者のほとんどが影響を受けており、オンライン上での授業を実践していた。そのため、2020年度の歴史系科目の授業運営や評価方法についても聞き取り調査を行うことで、実践知の蓄積を行うことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は新型コロナウイルスによる学年暦の変更・授業形態の変化により、インタビュー調査の実施期間が当初の予定より半期ずれ込んだものの、2020年度中に歴史系科目担当者に対しインタビュー調査を実施することができた。 他方、歴史系科目授業へのフィールド調査に関しては、県外への移動が制限されているなかで、現時点では目途が立っておらず、現地へ赴くフィールド調査以外の方法での実践知の集約を検討している。
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今後の研究の推進方策 |
本年度に実施した歴史系科目担当者対象のインタビュー調査の分析を通じ、より詳細な実態把握に努めていく。これら、インタビュー調査結果および分析進めるとともに、フィールド調査に代替する手段の検討および実施を進め、フェーズ(2)「授業デザインの構築、その実践と評価」への速やかな移行を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していたフィールド調査を次年度に繰り越したため、次年度使用が発生した。現状からフィールド調査に代わる調査方法を検討し、着手に向けて進めている。
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