基本問題を学習しても、類題や応用問題に知識を適用できない子どもは少なくない。そのような学習上の課題に直面している子どもは、発達性ディスレクシア(DD)とは別の枠組みで躓きの要因を検討することが重要である。本研究は類推機能に着目し、基礎的な研究を行なった。将来的に学習の躓きの要因を検討する1つの切り口になる可能性があり、社会的に意義がある。また従来の類推研究では類似性の抽出の程度が類推の成功に寄与すると考えられていたが、それを支持する結果は得られなかった。一方で、論理的思考の高さが類推を妨げる結果が示された。この結果は類推を成功させるメカニズムを検討する上で重要な知見であり学術的に意義がある。
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