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2023 年度 実施状況報告書

障害者の取り巻かれる社会的障壁についての環境アセスメント尺度の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K14287
研究機関久留米大学

研究代表者

佐藤 剛介  久留米大学, 文学部, 教授 (30632153)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2025-03-31
キーワード障害 / インクルージョン / 社会的障壁 / 環境アセスメント / 生活ドメイン / 障害科学 / 社会生態学 / 合理的配慮
研究実績の概要

日本も先進諸国同様に障害者のインクルージョンを推進してきたが、2022年9月に国連の障害者権利委員会からから出された日本政府に対する総括所見に見られるように課題は山積している。特に同委員会が改善必要点として指摘したものに、障害者の脱施設化と地域社会移行支援、分離教育からの脱却と真のインクルーシブ教育への移行がある。分離からインクルージョンへの転換において障害者の生活上の社会的障壁の除去が今以上に必要であるとの指摘といえる。しかし、障害者が相対している社会的障壁がどのような生活ドメイン(例、衣食住、教育、就労、娯楽、情報・医療福祉・交通アクセス)や生活環境(例、都市度)に存在するかといった重要な情報が精緻化されていない。そこで本研究は、質的・量的研究により、障害者が相対している社会的障壁に関するエビデンスを構築する。
2020年度までに、障害者へのインタビューデータを元に、各生活ドメインにおける障害者が相対している社会的障壁を洗い出し、その上で、それらについての妥当性を障害者のインクルージョンについての研究者、高等教育機関において障害学生支援を担当している者に確認してもらう作業を行った。2021年度は、障害者のインタビューを用いて作成した障害者の社会的障壁尺度(10ドメイン、各5から11項目)をさらに精緻化すべく、障害者支援を専門とする高等教育機関等における研究・教育者等17名に定量的評価および尺度項目の問題点について自由記述回答を求める調査を実施し、項目の取捨選択、改善、追加を行っている(2022年5月)。 2022年度および2023年度は、コロナ感染症蔓延のため業務増大、かつ大学転籍後のアジャストメントに時間を要し、研究に支障が出たため、研究期間を延長することとし、2024年度は、これまでの知見を用いて、障害者に対してドメインごとの社会的障壁を尋ねる大規模調査を実施する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

コロナ感染症蔓延のため業務が多くなり、かつ大学の転籍も重なり、研究の進行に支障が出た。その後修正に時間を要したこともあり、研究期間を延長することで、研究にかけられるエフォートを増やすことにした。

今後の研究の推進方策

作成した社会的障壁尺度を、都市度の高いまたは低い都道府県、かつ政令都市とそれ以外の地域で、障害当事者および障害のない一般人を対象に実施し、障害当事者の障害状況を踏まえた上で、両者の一致度、社会的障壁の有無となるマクロレベルデータとの相関等を検討する。その際、障害当事者の障害状況について、また当該地域の社会的障壁や生活上の障害者にとって利便性の高い施設や環境等の測定も行い、尺度の妥当性を検討する。
2024年度前半で調査を実施し、後半ではデータの解析および情報発信を行う。

次年度使用額が生じた理由

コロナ感染症蔓延のため業務が多くなり、かつ大学の転籍も重なり、研究の進行に支障が出た。その後修正に時間を要したこともあり、研究期間を延長することで、研究にかけられるエフォートを増やすことにした。

  • 研究成果

    (16件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 1件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 大学生・大学院生の被害経験の実態と大学満足度との関連―勧誘、学内外でのトラブル、ハラスメント、デートDVに焦点をあてて-2024

    • 著者名/発表者名
      山内星子・三枝麻由美・佐藤剛介
    • 雑誌名

      大学のメンタルヘルス

      巻: 7 ページ: 93-104

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 女性研究者の少ない理由に関する統計分析2024

    • 著者名/発表者名
      三枝麻由美・山内星子・佐藤剛介
    • 雑誌名

      ポリモルフィア

      巻: 9 ページ: 82-89

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The Misandry Myth: An Inaccurate Stereotype About Feminists’ Attitudes Toward Men2023

    • 著者名/発表者名
      Alfe Hopkins-Doyle et al(40名).
    • 雑誌名

      Psychology of Women Quarterly.

      巻: 48 ページ: 8-37

    • DOI

      10.1177/03616843231202708

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] ヘルプマーク利用者に対する援助意図の促進・抑制因の検討2023

    • 著者名/発表者名
      橋本博文・前田楓・山崎梨花子・佐藤剛介
    • 雑誌名

      社会心理学研究

      巻: 39 ページ: 1-10

    • DOI

      10.14966/jssp.2022-004

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] roviding Financial Incentives for Blood Donation and Its Evaluation.2024

    • 著者名/発表者名
      Ukyo Kobayashi, Keisuke Yamamoto, Kaede Maeda, Kosuke Sato, & Hirofumi Hashimoto
    • 学会等名
      The 2024 Annual Meeting of Society for Personality and Social Psychology in San Diego, California, U.S.
    • 国際学会
  • [学会発表] 災害等の緊急時対応に関するスタンダード策定.2023

    • 著者名/発表者名
      佐藤剛介
    • 学会等名
      日本特殊教育学会第61回大会
  • [学会発表] 障害学生支援と災害-災害等の緊急時における予防・対応の指標策定と活用-2023

    • 著者名/発表者名
      佐藤剛介・森脇愛子
    • 学会等名
      日本特殊教育学会第61回大会,
  • [学会発表] 献血意図と経済的インセンティブの関連.2023

    • 著者名/発表者名
      小林右京・山本佳祐・前田楓・ 佐藤 剛介
    • 学会等名
      日本グループ・ダイナミックス学会第69回大会
  • [学会発表] ヘルプマーク利用者に対する人々の援助行動:障害当事者による電車内フィールドワーク実験2023

    • 著者名/発表者名
      佐藤剛介・前田楓・橋本博文
    • 学会等名
      日本グループ・ダイナミックス学会第69回大会
  • [学会発表] 肢体不自由のある高校生の対人関係が学級の居心地に及ぼす影響2023

    • 著者名/発表者名
      戸高日奈子 ・江村理奈・ 佐藤 剛介
    • 学会等名
      日本教育心理学会第65回総会
  • [学会発表] 特別支援教育に対する賛否:障害者権利委員会による総括所見に対するYahoo!コメントの分析.2023

    • 著者名/発表者名
      佐藤剛介・前田楓・橋本博文
    • 学会等名
      日本社会心理学会第64回大会
  • [学会発表] ヘルプマークは誰のため?未来志向メッセージと知識の有無がヘルプマークに対する肯定的な理解に及ぼす効果.2023

    • 著者名/発表者名
      橋本博文・前田楓・山崎梨花子・佐藤剛介
    • 学会等名
      日本社会心理学会第64回大会
  • [学会発表] 恐怖や不安に関連する体臭への暴露が不安と対人信頼に及ぼす影響.2023

    • 著者名/発表者名
      請野菜緒子・佐藤剛介・小林剛史
    • 学会等名
      第36回におい・かおり環境学会
  • [図書] 障害と社会科学ー障害についての研究の必要性. 日本心理学会機関誌心理学学ワールド102号小特集「障害の社会モデル」2023

    • 著者名/発表者名
      佐藤剛介
    • 総ページ数
      2
    • 出版者
      新曜社
  • [図書] 書評 独創的な文化と社会性:ユニークな観点から生み出される文化. 竹中均著「自閉症が文化をつくる」2023

    • 著者名/発表者名
      佐藤剛介
    • 総ページ数
      1
    • 出版者
      週刊読書人
  • [備考] Kosuke Sato's Home Page

    • URL

      https://sites.google.com/view/kosuke-sato/home

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公開日: 2024-12-25  

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