研究課題/領域番号 |
19K14290
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研究機関 | 就実大学 |
研究代表者 |
津島 靖子 就実大学, 教育学部, 准教授 (30710082)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 未就学 / 注意 / 音韻意識 / ワーキングメモリ |
研究実績の概要 |
2023年度は,研究計画の2)について臨床群を中心としたデータ収集を継続して行った。さらに定型発達5・6歳群を対象とした成果として,音韻分解課題,Rapid Automatized Naming(RAN)課題,数唱,PVT-R絵画語彙発達検査の成績に反映される,読字に関与する認知機能におけるワーキングメモリの影響について報告を行った。分析は対象児をワーキングメモリ高群とワーキングメモリ低群の2群に分け,各群における音韻分解得点,理解語彙評価点,RAN 課題の所要時間(ms)および呼称の誤り(数)の成績に差があるかを検討した。ワーキングメモリ高群はワーキングメモリ低群に比して有意に音韻分解の得点が高く,逆唱が高成績であると音韻分解の発達が良好であり,ワーキングメモリの程度が音韻意識の発達に影響している可能性を示唆する結果を得ている。研究計画に記載している中間報告を行うデータ数の集積に至ったため,発達障害5・6歳男児を対象に注意機能に関するContinuous performance test(CPT)と上述の4課題の成績について各指標間の関連を検討した。CPTの成績とワーキングメモリ,RAN課題の成績との間に有意な相関が示され,臨床群ではCPTでお手付きが多いとワーキングメモリに関する成績が低く,RAN課題では呼称の速度が延長し,呼称の誤りが多くなることを示す結果を得ている。その他,特別支援教育における専門性向上の視点から行った報告の中で,適切な指導を行うための特性理解とアセスメントについて学ぶことの必要性を指摘した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究最終年度までに計画していた目標データ数の集積に至らず,研究期間を延長した。
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今後の研究の推進方策 |
5・6歳児臨床群のデータ収集が困難な場合は,対象の年齢幅の変更等も検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の研究実施計画からデータ収集開始の遅れにより,研究成果報告,アルバイト雇用等に変更が生じ,人件費・謝金,旅費などで未使用額が生じた。今後の研究計画変更に伴い,必要な費目に振り替えて使用する。
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