本研究では、家庭密着型の言語発達支援を開発し、自閉スペクトラム症(ASD)児が言語を獲得する過程を総合的に明らかにすることを目的とした。初年度には、ASD児が発声から語および語から句・文の発話を促す支援方略を検討した。次年度及び最終年度には、開発された支援方略が、保護者により家庭で運用可能かを検証した。その結果、ASD児の発話に対して、大人が同じ発話及び語を拡張させた発話で応じること(随伴模倣・拡張随伴模倣)がASD児の発声から語および語から句・文の発話の促進に有効な支援方略であることが示された。さらに開発された支援方略は、保護者においても家庭で運用可能な手続きであることが明らかになった。
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