研究実績の概要 |
本研究はICTによる読み書き計算の代替を介入とする学習評価手法(FILES, Finding your Learning Styleと命名)の妥当性を検討する。FILESは,子どもが自身の学びやすい方法を選択するための機会を提供する評価手法である。具体的には読み書き計算に代替手段を用いる場合と通常の方法で解答する場合でドリル課題を行う。そして,条件別に成績の変化をモニターすることで,読み書き計算に補助があると学びやすいかどうかがわかる。本研究は読み書き計算のうち、書きに焦点を当てた研究である。 2019年度は FILES漢字課題(漢字の手書き課題および選択課題)の成績と書字速度・日常的な漢字学習状況との関連性を検討するために,小学校2校において調査を行った。2020年度は実施できた調査に関しては分析を行い,日本教育心理学会第62回総会において報告を行った。 2021年度は2020年度に延期していた小学校での調査を行う予定であり,オンラインでの調査を検討していたが,十分に計画が進まず学校での調査を実施すること ができなかったため,計画を2022年度に繰り越した。 2022年度は、一学校一学年で行った調査の分析を進めたが,十分な数のデータが集まらなかったことから他の調査協力校への依頼を行った。追加の調査協力校と して2校が候補に上がったため2023年度の調査に向けた準備を行った。2023年度は追加の調査協力校2校において、小学生3年生から6年生までの211名・中学生1年生から2年生までの227名にへの調査を行った。また、2022年度から通常の学級に在籍しており、手書きすることが大きなバリアとなっている事例に対して、 担当教諭へのコンサルテーションを行い、学級全体で手書きとそれ以外の方法を子どもが選ぶ実践研究を行った。
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