研究課題/領域番号 |
19K14296
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
相羽 大輔 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (50735751)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 高等教育 / 障害学生支援 / 視覚障害 / 弱視 / ロービジョン / ICT |
研究実績の概要 |
本研究は、弱視学生を例に、高等教育におけるインビジブルな障害学生の学習環境の改善に寄与しようとする研究である。インビジブルな障害学生は大学でも認知度が低く、支援が受けにくい。そこで、修学支援に関わる大学教員に焦点を当て、弱視学生の学習環境整備を促進する(妨げる)ソフト面、ハード面の要因を明らかにする。その上で、弱視学生支援に対する受容的(拒否的)な態度と教員の個人要因との関係を解明する。更に、教員の潜在的態度と顕在的態度の関係を解明することで、弱視学生の学習支援環境の改善への方略を生み出す。 ただし、本科研は昨年度の段階で、新型コロナウィルスの影響を受けることが予想されたため、当初予定していた研究計画を大幅に見直し、本年度は研究期間の延長を行い、その遂行にあたった。 本年度の主な成果は、感染症対策に考慮した調査方法として新たに構築したオンライン調査システムがあげられる。これは本科研で作成された顕在的態度(ICT環境整備項目)を問うパートと、潜在的態度(潜在連合テスト)を問うパートの2つからなっており、日本ブラインドサッカー協会からの協力を得て作成された。障害分野の態度研究において、顕在的態度と潜在的態度の両側面をオンライン上で測定可能なシステムは、わが国でも初めてのものであり、新たな調査方法の提案につながったと考えられる。 本年度は、この新たなシステムを活用して、大学教員への調査を実施することができたため、次年度以降、得られたデータの分析に取り掛かっていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
対面で実施する予定であった質問紙調査並びに潜在連合テストをオンライン上で実施できるよう半年以上の時間をかけて新たなシステム構築を行った。その上で、年度内の残り時間をかけて、大学教員のデータを収集することに成功した。延長した残り1年の間に、本年度得られたデータの解析、論文執筆等を実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
現在、400名以上の大学教員からのデータ(顕在的態度、潜在的態度、個人要因)得られている。これらの関連性について、次年度、分析を行い、当初の研究計画にあった目標の達成を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画を1年延長したことにより、2021年度に実施する予定であった調査データの分析・解析のための備品購入、並びに、成果報告のための出張、学会発表、論文発表等のための予算執行が2022年度に先送りされた。このため、次年度は、回収した調査データの整理、分析のための人件費、消耗品、並びに、論文執筆のための校正等のためにあてる。
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