研究実績の概要 |
令和5年度は、補助期間の延長申請を行い、重度知的発達症のアシスティブ・モニタリングの社会的妥当性を評価するためのビデオクリップの作成と質問項目の作成を行った。盲検法による客観的な評価のために、盲検法によって社会的妥当性を評価した先行研究(Whalen & Schreibman, 2003)を基に、アシスティブ・モニタリングを実施した事例の介入前・介入後の映像記録を3分のビデオクリップにして、複数作成した。これらのビデオクリップに対する行動の社会的重要性に関する評価項目と介入技法の実行性に関する評価項目を質問項目として作成した。 ビデオ材料を用いた介入研究の展望(Nylen & King, 2021)によると、社会的妥当性に関する知見は主観的評価に限られている。アシスティブ・モニタリングの介入技法の時間的、人的、物理的なコストを含めて実行性を評価することで、介入技法として検討する際の情報が増える。また、客観的に行動の社会的重要性を評価することで、介入の効果性に関してより客観性のある判断が可能になる。 一方、令和5年度は評価のための材料を準備したものの、実施には至らなかったた。そのため、令和6年度は重度知的発達症の指導及びセルフ・モニタリングに関する有識者に社会的妥当性の客観的な評価を実施する。より客観的な社会的妥当性の評価の結果から、本研究で開発したアシスティブ・モニタリングの効果を検討する。
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