研究課題/領域番号 |
19K14306
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研究機関 | 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所 |
研究代表者 |
神山 努 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, インクルーシブ教育システム推進センター, 研究員 (50632709)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / 子育て支援 / ペアレント・トレーニング / 階層的支援システム / 遠隔自学習 / 効果研究 |
研究実績の概要 |
2020年度は当初の計画では、前年度に作成したペアレント・トレーニングのアプリを用いて、自閉スペクトラム症児の保護者に対するペアレント・トレーニングの自学習の有効性検討を、事例研究により行うこととしていた。しかしながら、新型コロナウイルスの影響により、前年度機関では研究参加者を募集することができず、その間はリモートでのペアレント・トレーニングに関する研究文献の収集と分析を行った。年度の後半において、研究参加者を集めることができ、事例研究を開始した。参加者には、ペアレント・トレーニングのアプリの使用方法を教示後、家庭生活において子どもに目標行動に対して、子育て工夫の計画と実施や、アプリ内での行動記録を行ってもらい、経過を適宜報告してもらった。現時点では、2名の参加者から、子どもが目標行動を獲得したことを示す結果が得られた。そのほかに2名の参加者では、2021年度も本研究への参加を継続してもらい、親子の行動変容を継続的に評価していく。一方で、1名の参加者ではアプリを用いての自学習で、子どもの行動変容を促すことが難しい結果が得られた。その要因として、保護者がアプリを用いて単独で、子どもが目標行動を行うことが困難な背景を推察することが困難であることが報告され、この保護者では、支援者からのフィードバックを受けることで、背景を推察することができた。以上の結果をふまえ、2021年度に行うことを計画している、ペアレント・トレーニングの階層的モデルを検討していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度は、自閉スペクトラム症児の保護者に対するペアレント・トレーニングアプリを用いた遠隔自学習の有効性を検討する予定であったが、新型コロナウイルスの影響により、年度上半期では、支援機関を介しての参加者募集ができなかった。そのため、研究の開始が年度下半期からとなり、当初の計画では2020年度中に終わらす予定であった研究を、2021年度も継続して行う必要が生じている。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度も新型コロナウイルスの影響によっては、対面での事例研究の実施が困難になると想定される。これについては、2020年度の事例研究において、Web会議サービスを介した事例研究実施のノウハウを積み重ねることができたため、Web会議サービスを介して研究を進めることがあることを前提に、参加者を募集していくことで対応する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度は新型コロナウイルスの影響により、特に年度上半期において事例研究を行うことができなかった。そのため、事例研究において必要だった旅費等を使用することができなかった。これらについては、2021年度に前年度からの事例研究を継続して行う予定があるため、そこで使用することを計画している。
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