• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2019 年度 実施状況報告書

視覚障がいのある学生と医療者に配慮された臨床評価支援アプリ(UD-MAP)の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K14312
研究機関筑波技術大学

研究代表者

福島 正也  筑波技術大学, 保健科学部, 講師 (30735759)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード視覚障がい / 特別支援教育 / 支援技術 / 臨床 / 理療 / 情報通信技術 / ICT / タブレット
研究実績の概要

本研究は,視覚障がいに配慮された臨床用評価支援アプリケーションが,視覚障がいを有する施術者の教育および臨床業務の支援に有用であるという仮説を立て,アプリ開発と教育および臨床現場での実証を行うことを目的としている。
研究初年度である2019年度は、本研究の基礎となる、視覚障がいを有する施術者の臨床での評価における困難事象に関するアンケート調査の実施、および臨床用評価支援アプリケーションの開発を行った。
アンケート調査は、2019年9~10月に、筑波技術大学で鍼灸学を専攻する視覚障害を有する学生・研修生34名を対象として実施した。調査は無記名のウェブアンケートとし、所属・視覚障がい・臨床での評価における困難事象に関する各設問への回答を依頼した。調査の結果、23名の回答が得られ(回収率68%)、うち15名が重度視覚障がいであった。評価での困難事象に関する設問への回答で「自分だけで正しくできる」が少なかった設問は、①望診(視診)による評価:2名、②動作分析:5名、③墨字の質問紙等の読み取り・集計:7名、④角度計での計測:8名、姿勢・アライメントの評価:8名であった。また、評価の記録方法に関する設問では、「自分だけで正しくできる」の回答は、墨字での記録:9名に対し、デジタル機器での記録:16名であった。これらのことから、視覚を用いた評価法や文字・数値の読み取りに困難を感じる者が多いことが明らかになった。情報機器の活用等による測定器具や記録方法の改善が支援として有効な可能性がある。本成果は、2020年度に学会で発表予定である。
評価支援アプリケーションの開発は、現段階において、視覚的アナログスケール(VAS)アプリケーションの開発がほぼ完了している。一方、質問票アプリケーションは、技術的な課題により、8割程度の進捗に留まっている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究初年度である2019年度は、本研究の基礎となる、視覚障がいを有する施術者の臨床での評価における困難事象に関するアンケート調査、および臨床用評価支援アプリケーションの開発を行った。
困難事象に関するアンケート調査は、視覚障がい者のアクセシビリティの向上および集計の効率化を企図して、実施方法を当初予定していた紙媒体からウェブアンケートに変更している。そのことにより研究倫理審査が予定よりも長引いたが、概ね計画通りに調査を完了し、成果が得られている。
評価支援アプリケーションの開発は、現段階において、視覚的アナログスケール(VAS)アプリケーションの開発がほぼ完了している。一方、質問票アプリケーションは、技術的な課題により、8割程度の進捗に留まっており、現在、開発に注力している状況である。なお、2020年度に開催が予定されていた国際セミナーにおいて、評価支援アプリケーションの開発成果を発表予定であったが、新型コロナウィルス感染症対策のため開催が中止されたため、成果発表に遅れが生じる見込みである。

今後の研究の推進方策

昨年度までの成果から、引き続き、臨床用評価支援アプリケーションの開発を推進する。また、研究計画に基づき、一定度までアプリケーション開発が進んだ後は、視覚障がいを有する施術者らによる、実用性を検証するための試験運用を行う予定である。
なお、新型コロナウィルス感染症の拡大に伴い、医療機関内での試験運用において、計画変更を余儀なくされる可能性がある。その場合は、感染対策等の安全面を最優先し、柔軟に研究計画の変更を行う。

次年度使用額が生じた理由

研究初年度の2019年度は、視覚障がいを有する施術者の臨床での評価における困難事象に関するアンケート調査、および臨床用評価支援アプリケーションの開発を行った。
アンケート調査においては、調査実施方法を当初予定していた紙媒体からウェブアンケートに変更したため、集計に係る人件費が不要になった。
また、評価支援アプリケーション開発においては、当初はアプリケーション開発を外部委託する予定であったが、視覚障がいアクセシビリティや臨床医学領域の専門性に対応可能な委託先の選定が困難であったため、現在、研究代表者がアプリケーション開発を行っている。そのため、アプリケーション開発委託予算分の支出が削減されている。
今後、予定している研究の遂行と共に、より発展的な研究の実施を視野に入れ、計画的かつ有効に予算執行を行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 臨床での評価における視覚障がいのある施術者の困難事象に関する調査2020

    • 著者名/発表者名
      福島正也
    • 学会等名
      第21回日本ロービジョン学会学術総会

URL: 

公開日: 2021-01-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi