研究課題/領域番号 |
19K14312
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研究機関 | 筑波技術大学 |
研究代表者 |
福島 正也 筑波技術大学, 保健科学部, 講師 (30735759)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 視覚障がい / 特別支援教育 / 教育工学 / 支援技術 / 臨床 / 理療 / タブレット |
研究実績の概要 |
研究3年目である2021年度は、開発したアプリのCAST-Q(Clinical Assessment Support Tools - Questionnaire version)α版で昨年度に実施した第1回実証調査を踏まえ、β版へのバージョンアップと第2回実証調査を実施した。
第2回実証調査は、2021年9月~10月に、筑波技術大学で鍼灸手技療法の臨床を行っている研修生と学部4年生を対象として実施した。CAST-Q β版をインストールしたタブレット端末(Apple社製iPad)を用い、操作マニュアルを電子媒体で配布した上で、アプリの試用を依頼した。試用後に、無記名式のウェブアンケート(項目は、全盲・弱視・晴眼の別、Apple社製タッチデバイスの利用状況、System Usability Scale[SUS]、評価支援アプリの必要性)への回答を依頼した。 調査の結果、CAST-Q β版のSUSスコアは73.8(66.3-80.6)であった。「評価支援アプリは必要だと感じた。」への回答は、1(まったくそう思わない)~5(まったくそう思う)の5段階評価で、5が9名、4が3名であった。SUSスコア73.8は、形容的評語で「good」(よい)に該当し、パーセンタイルで65-69、評点でB-(平均はC)に該当する。これらのことから、CAST-Q β版は平均よりも高いユーザ満足度が得られており、紙媒体に替わる評価ツールとして有用であることが示唆された。
現在、上記の実証調査を踏まえたCAST-Qのバージョンアップを行い、専用ウェブページを開設した上で、オープンβテストを開始している。また、上記アプリと並行して開発した、ROM測定アプリ(CAST-R)も同様にオープンβテストを開始している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究3年目である2021年度は、前年度に実施した第1回調査に基づくバージョンアップを行った、β版アプリを用い、第2回調査を行った。さらに、第2回調査を踏まえた再度のバージョンアップの実施、専用ウェブページの開設、オープンβテストを開始した。 上記アプリと並行して開発した、ROM測定アプリ(CAST-R)も同様にオープンβテストを開始した。 また、これらの研究成果の学会発表と論文投稿を行った。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、アプリのデバッグおよび機能拡充により、研究のさらなる進展と展開をめざす。また、アプリの公開、多言語対応、学会発表、論文投稿により、研究成果の還元に積極的に取り組む予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
アプリ開発においては、当初は開発を外部委託する予定であったが、視覚障がいアクセシビリティや臨床医学領域の専門性に対応可能な委託先の選定が困難であったため、引き続き、研究代表者自身が開発を行っている。そのため、アプリケーション開発委託予算分の支出が大幅に削減されている。また、参加した関連学術大会がオンライン開催となり、旅費の支出がなくなっている。 今後、研究の推進のため、計画的かつ有効に予算を執行する予定である。
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