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2022 年度 実施状況報告書

eラーニング・コミュニティの活性化に向けた初期段階の発話を促す仕組みの実験的検討

研究課題

研究課題/領域番号 19K14316
研究機関兵庫教育大学

研究代表者

澤山 郁夫  兵庫教育大学, その他部局等, 准教授 (10806194)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード教育工学 / 自由記述量 / オンライン調査 / 日本語 / 使用媒体 / twitter / eラーニングコミュニティ
研究実績の概要

eラーニングコミュニティにおける参加者の発話量は,参加者の自発的な学習行動をお互いに支えうる重要な要因の一つと考えられる。このような背景を踏まえて設定された本研究の目的は,参加者の発話量を促進するための方策について検討することであった。
この目的に対して,昨年度までに行った1文字以上の回答入力を必須とする自由記述設問を含むオンライン調査の分析結果からは,参加者の使用媒体がスマートフォンである場合には,PCである場合よりも自由記述量が抑制される可能性が示されていた。すなわち,「これから文字入力を行う」という足場かけが与えられた場合でも,参加者の自由記述量は使用媒体の影響を受けていると示唆された。
今年度は,この調査研究に関する追加分析を行うとともに,twitterのスペース機能等を用いたオンライン上のコミュニティ形成を目指した実践研究を行った。結果,調査研究の追加分析からは,(1)自由記述設問の種類によっては参加者の年齢も自由記述量に関係していること,(2)参加者の年齢は使用媒体とも関係していること(すなわち,年齢と使用媒体の要因は交絡していること),(3)年齢を統制した上でも利用端末がスマートフォンであることによる自由記述量に対する負の影響は消失しない可能性が明らかとなった。さらに,Android端末に限定された比較的小規模なサンプルの結果ではあるものの,スマートフォンの画面サイズと自由記述量には正の関連が認められないことも示唆された。以上より,PCと比較してスマートフォンで自由記述量が抑制されるのは,参加者の年齢や画面サイズ以外の要因によるものと示唆された。
また,オンライン上のコミュニティ形成に関する実践研究からは,自己開示を始めとする参加者の発話には,信頼関係の構築や語りを支える主催者の関わり方が重要であると示唆された。今後,これらの結果を加味した方策について検討を進める必要がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新型コロナウイルス感染症拡大防止のための活動制限等の要因が重なり,当初計画していた実験研究の実施は困難となったものの,代わりに行った調査研究や実践研究の結果から,当初想定していなかった発話量の規定因に関する示唆深いデータを得ることができ,この点については当初の計画以上に進展したと考えられるため。

今後の研究の推進方策

引き続き,発話量の規定因に関する調査研究や実践研究,介入効果を調べる実験研究等の実施可能性について検討し,eラーニングコミュニティにおける参加者の発話を支えるための方策について,一定の結論を出すことを目指す。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナ感染症拡大防止のための活動制限等の要因が重なり,当初計画していた実験研究の実施が困難となり,計画を練り直す必要が生じたため。この残額は,翌年度の調査研究ないし実験研究の実施に充てる計画である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 小学生における手書きとタイピング速度の実態2023

    • 著者名/発表者名
      澤山 郁夫・海﨑 孝斗・永田 智子・藤原 雅弘
    • 学会等名
      日本教育工学会2023年春季全国大会(第42回大会)
  • [学会発表] 大学生における手書きとタイピング速度の実態2023

    • 著者名/発表者名
      海﨑 孝斗・澤山 郁夫・永田 智子・藤原 雅弘
    • 学会等名
      日本教育工学会2023年春季全国大会(第42回大会)
  • [学会発表] 日本におけるオンライン調査の回答端末と自由記述量の関係2022

    • 著者名/発表者名
      澤山 郁夫・永田 智子・海﨑 孝斗・藤原 雅弘
    • 学会等名
      日本教育工学会2022年秋季全国大会(第41回大会)

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公開日: 2023-12-25  

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