本研究は、アクティブラーニング型の大学授業を対象とし、学生の学習プロセスに基づいた学習支援方法の検討と開発を行う。以前の報告にもある通り、本研究は大学の対面授業を対象としていた。しかしながら、助成期間中の新型コロナウイルス感染症流行の影響により、研究計画の変更を行っている。具体的には、オンデマンド授業や授業時間外学習の学習プロセスに着目した研究を中心にすすめてきた。 2023年度は研究最終年度のため、対外的な発表を重視して行った。これまでの研究では、学期中の1つの課題における学習プロセスに着目した分析を行ってきたが、本年度は複数の課題間の関係性に関する分析を行った。 具体的には、初年次教育科目である中間発表と最終発表の2回の発表機会があるプレゼンテーション教育科目を対象として、それぞれの振り返り課題時の学習プロセスを分析した。発表動画の視聴状況に着目した分析を行った結果,(1)33%の学生が中間発表と最終発表のいずれの発表動画も複数回視聴しながら振り返っていたこと、(2)いずれの回も限定的な視聴で振り返りを行った学生が存在することなどが明らかになった。 また、上記の成果を踏まえて、前期に実施された授業では、課題内容の変更を行うなどして、学習プロセスに関する新たなデータを取得した。これまでの研究成果と新たなデータをリソースとして、約3年間にわたる実践・研究の成果を整理し、必要な学習支援の方法やあり方に関する原著論文の執筆を行っている。
|