研究課題/領域番号 |
19K14346
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研究機関 | 福山市立大学 |
研究代表者 |
太田 直樹 福山市立大学, 教育学部, 講師 (00733297)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 数量活動 / 幼児教育 / 評価尺度 / 保育者 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,保育者を対象とする幼児期の数量活動に対する意識評価尺度を開発することである。遊びを通して行われる幼児期の保育は,子どもたちの豊かな気づき,考え,感性を育むために,子どもたちの主体性を尊重しながら,保育者が教育的な意図をもって教材・絵本・遊具などの環境を構成し行われている。しかし,科学教育の基盤となる数量活動に関する環境設定は,運動,音楽,製作などの他の活動と比べ,幼児期の遊びに意図的に取り入れられることが少ない現状がある。したがって,保育者の数量活動への意識の高低により,その数量活動に対する支援は大きく左右され,その結果,子どもたちの数・量・形に対する興味・関心・気づきを育めていないという重大な課題がある。しかしながら,保育者の意識は,個々の保育観や研修経験,科学や数学への関心などと関連することが予測されるものの,主観的であるがために判断基準が不明確となることが想定される。そこで,客観的な指標となり得る評価尺度の開発が急務であると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに,以下の通り進捗している。 ①評価尺度の作成では,数量活動の意識の質を評価する保育観として,環境評価尺度(ECERS-E)と同様の立場にたち作成した。具体的には,子ども主導の活動と保育者主導の活動とのバランスがとれ,子どもと保育者が共に考え,深める保育が望ましいとした。また,指導計画や評価が,子どもの個別の興味関心に基づいている保育も望ましいとする保育観にたつ。そして,保育現場の実践的な研究を基に,具体的な保育場面を想起し,評価項目を作成した。 ②内容的妥当性の検討では,幼児教育学や数学教育学を専門とする研究者に協議協力を依頼し,作成した項目の内容的な妥当性を検討した。 ③データ収集では,幼稚園教諭・保育者に協力を依頼し,約200名からの回答を得た。
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今後の研究の推進方策 |
今後は,収集されたデータを入力・分析していく。 データの分析では,統計ソフト(SPSS)を利用し,因子分析・評価尺度の信頼性・妥当性などの統計的な検証を試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの感染拡大により,学会等の旅程が中止されたため
なお今後,データ数を増やすために,追加の調査費用としたり,分析ソフトの購入費として使用予定である。
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