階層化したIoTシステムのモデルを基にした「センサベースIoT学修システム SILS(Sensor based IoT Learning System)」を提案し,それに基づいてIoTデバイス,ネットワーク環境,及びデータ通信のIoTシステムの理解を促しながら,プログラミング教育及び,課題解決型IoTシステム構築学習を,工業高等学校において3年間にわたり実践した. SILSは,IoTシステムにおけるセンサでのデータ計測に着目した,データ処理別に階層的に分割してそれぞれの働きを明示化したモデルを基にして,ICT/IoTにおける学修内容を各階層及び階層毎のつながりにおいて整理した学修体系である. 実際の授業においてSILSを基にした授業カリキュラムを策定して工業高校の実習教科において実践を行った結果,システム全体を理解する事や各階層でのプログラムの意味において理解が深まるという傾向が示唆された.また,研究計画の中でロボットをIoTシステムに組み込むことで興味・関心を集めることで学習効果がより高まると考えたが,学習内容が多すぎて期待していたような学習効果が上がらないことが分かった. 情報科目に対して異分野である理科や数学等の授業とSILSとの親和性を検討して複合的な教育手法についての検討では,高校物理の力学分野において,教材ロボットでセンシングした情報をIoT技術を用いて複数の生徒で共有することで,体感的に物理を学習できる教育教材を開発することができた.
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