研究課題/領域番号 |
19K14367
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研究機関 | 津田塾大学 |
研究代表者 |
鈴木 貴久 津田塾大学, 総合政策学部, 准教授 (00774879)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 協力行動 / 評判 / 感染予防行動 |
研究実績の概要 |
2021年度は、本研究をコロナ禍への対応可能性を検討するために、コロナ禍おける社会的ジレンマ状況に着目した研究を主に行なった。感染症拡大の影響で、人々の社会関係のあり方が大きく変化している。2020年度から継続して人と人が直接会うような状況における信頼関係の構築を想定した実験を行う計画であったが、直接対面することが推奨されない現在の状況で行うと結果がかなり特異なものになりかねないため、社会状況を見極めながら本実験の延期か変更を検討することとした。そのため、本研究が対象としているシェアリングエコノミーにおける信頼関係についても影響を受けている可能性が高く、日常的な社会関係や協力行動と先行研究の知見の適用可能性についての再確認が必要となる。そこで、2021年度は人々の日常的な向社会的行動やそれに対する評価を測定するための社会調査を行った。2020年4月と2021年4月に同一対象者に対するパネル調査を行なった。調査では、日常的な外出行動や行動決定時の情報源、心理態度などを測定している。分析の結果、感染症拡大時の予防行動は社会的ジレンマに関する先行研究の知見と整合的な構造を持っている事、行動決定時の情報入手先としてソーシャルメディアが重要な役割を占めている事などが示された。今後は、これらの結果を土台にして、2020年度以前に検討してきたモデルにステレオタイプを生じさせるような対象者の属性情報を追加することで、評価にどのような影響が出るのかを検討することになる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度は、2020年度から継続して人と人が直接会うような状況における信頼関係の構築を想定した実験を行う計画であったが、直接対面することが推奨されない現在の状況で行うと 結果がかなり特異なものになりかねないため、社会状況を見極めながら本実験の延期か変更を検討することとした。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、2021年度に実施したコロナ禍における社会的ジレンマ構造の結果も踏まえながら、これまでに用いてきたモデルにステレオタイプを生じさせるような対象者の属性情報を追加することで、評価にどのような影響が出るのかを検討する。また、オンライン上でコミュニケーションを行うような実際のシェアリングエコノミーサービス上のオンライン行動データの収集および分析を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
感染症拡大の影響により、実験計画の見直しや学会発表のための旅費などの次年度使用が必要となった。
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