研究課題/領域番号 |
19K14368
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
荻原 祐二 東京理科大学, 理学部第二部教養, 助教 (80823351)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 個性 / 文化変容 / 経時的変化 / 対人関係 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、日本における個性追求傾向の経時的変化を検証し、その心理的帰結を解明することである。先行研究は、日本における集団レベルの個性追求傾向の高まりを示した。しかし、個性追求傾向の個人レベルの変化は不明である。他者や社会が個性を求めていると認知しているだけで、個人は個性を実際には求めておらず、個人レベルでは個性追求傾向は高まっていないかもしれない。心理や行動、慣習を含めた文化の変容プロセスを解明し、個人と集団の相互構成関係を明らかにするためには、集団レベルだけでなく個人レベルの変化も検証する必要がある。そこで、個人レベルにおける個性追求傾向の経時的変化を明らかにする。 2019年度は、日本において個人レベルでも個性追求傾向が高まっているかを検証するため、個性追求傾向を測定している尺度を用いた研究を対象に、時間横断的メタ分析を行うことを予定していた。そのため、対象となる個性追求傾向を測定している尺度の網羅的な把握と、関連研究の俯瞰的な理解を進めた。また、時間横断的メタ分析についても、その統計学的理解と具体的な分析手続きの理解を進めた。 同時に、日本における集団レベルでの個性追求傾向の経時的変化に関する研究は依然として少なく、その変化の様相が未だ不明瞭であることが指摘された。個人レベルでの経時的変化の研究は、集団レベルの変化との比較によって議論を進めているため、この限界点は克服される必要があった。そのため、集団レベルにおける個性追求傾向が、より長期にわたって、先行研究とは異なる側面においても経時的に高まっていることを実証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予定していた個人レベルでの経時的変化を検討する研究計画を実施する過程で、集団レベルでの変化を検討した研究の限界点を指摘され、その限界点を克服するために必要な研究も同時に進める必要があったため。
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今後の研究の推進方策 |
集団レベルでの経時的変化を検討した研究の公刊作業を進めながら、個人レベルでの経時的変化を検討した研究を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外出張旅費を他の研究費より支出したため。研究計画が当初の予定通りには進まなかったため。
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