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2019 年度 実施状況報告書

社会関係資本の醸成に寄与するコミュニティカフェの特性に関するフィールド研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K14371
研究機関法政大学

研究代表者

土倉 英志  法政大学, 社会学部, 准教授 (00614637)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード人びとのつながり / 社会関係資本 / サードプレイス / 居場所 / コミュニティカフェ / 実践研究 / アクションリサーチ / 安心と信頼
研究実績の概要

本研究は、人びとのつながりを育む場所の特性を明らかにすることを目的としている。つながりを育む場の特性について、(1)ヒト的特徴、(2)コト的特徴、(3)モノ的特徴という3つの側面から明らかにする。そのために、特に地域にあるコミュニティカフェに焦点をあてて検討を行なっている。
2019年度は主につぎの4点に取り組んだ。(a)調査を実施する地域をまずは大学近隣にしぼった上でコミュニティカフェをピックアップした。(b)コミュニティカフェの特性を明らかにするために用いるインタビュー項目と観察項目を検討した。(c)(a)でピックアップしたカフェのうち複数の店舗に、(b)の項目を用いた調査に協力していただいた。(d)(c)で実施したインタビュー調査の音声データを書き起こし、KJ法を用いた分析を行なっている。
今後の課題としてつぎの点が見いだされた。(a)については、カフェをピックアップしてリストを作成したものの、店主にお話を伺うなかで、把握できていないカフェが複数あることがわかった。今後、リストを充実させていく必要がある。(b)については、調査数が限られた。また、継続的な調査を実施するに至らなかった点が課題である。調査数が少ないため、考察には慎重さが求められるものの、つながりを育む場を提供する人びとがおかれている状況に共通性がみられることが考えられる。場の具体的な特性を適切に把握するうえで、場のあり方を規定している社会・文化的な構造にも視野を広げることを検討したい。また、(b)については、実際に調査を実施したことで、質問・観察項目の追加等を検討する余地があることもわかった。
上記の検討を進めるなかで、インフォーマルな形ではあるが、利用者の方にもお話を伺うことができた。つながりを育む場所の特性を検討する上で、利用者がその場所に何を求めているのかも重要であることに、あらためて気づかされた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究代表者の異動に伴い、調査対象地域を変更することにした。当初予定していた静岡県浜松市を中心とする地域では、調査に快く協力してくださる方がいたため、継続的に調査を実施するめどが立っていた。しかし、調査対象地域を変更することになり、地域におけるコミュニティカフェの有無や所在はもちろん、地域の雰囲気を知るところから始める必要が生じた。これにより遅れが生じている。

今後の研究の推進方策

「研究実績の概要」で説明した課題に取り組み、フィールド調査を実施していくことを基本方針とする。ただし、2020年3月以降、フィールド調査を実施しづらい社会状況が続いている。
そのため、フィールド調査の実施が困難である場合には、研究テーマを追究する別の方法を模索していきたいと考えている。
コミュニティカフェはサードプレイスのひとつに位置づけられる。人が安心感を抱いて他者と交流することを支える場所はサードプレイスだけではない。サードプレイスは、ファーストプレイス、セカンドプレイスとの関係のもとで存在していると言える。こうしたことを考えるならば、サードプレイスの特性を明らかにする上で、人にとっての場所を包括的にとらえ、そのなかにサードプレイスを位置づけていくこともまた有用と考えられる。検討にあたっては、フィールドに足を運ばない手法、たとえば、質問紙調査等の実施も検討していく。

次年度使用額が生じた理由

フィールド調査の実施数が少なかったことが主たる理由である。フィールド調査の実施数を増やすことを計画している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 変わりゆく実践研究、変わりゆく研究者2019

    • 著者名/発表者名
      土倉英志
    • 学会等名
      日本認知科学会

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公開日: 2021-01-27  

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