研究課題/領域番号 |
19K14381
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
齊藤 彩 お茶の水女子大学, 教学IR・教育開発・学修支援センター, 講師 (30794416)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 発達障害 / 発達障害特性 / ASD / ADHD / 親子関係 / 育児 / 精神的健康 |
研究実績の概要 |
本研究は、親子双方の発達障害特性(自閉症的行動特性(ASD特性)ならびに注意欠如・多動症的行動特性(ADHD特性))と親子関係、子どもの精神的健康との関連メカニズムについて、縦断質問紙調査により実証的に明らかにすることを目的としている。2020年度は、主として以下の研究活動に従事した。 はじめに、昨年度実施した、親子双方の発達障害特性と親子関係、子どもの精神的健康に関する第1回目の質問紙調査について、新たに保育園3園ならびに小学校3校から協力の同意を取得し、各園・各学校に在籍する子どもの保護者に質問紙を配布した。その結果、母親366名と父親188名から有効回答が得られた。昨年度の回収分と合わせると、第1回目の質問紙調査では、合計1006名の母親と528名の父親の回答が得られたこととなる。 続いて、昨年度第1回目の質問紙調査に回答した際に、第2回目の質問紙調査への継続参加に同意した母親350名と父親176名に、第2回目の質問紙調査の質問紙を郵送で配布した。その結果、母親236名と父親111名から回答が得られた。 第1回目の質問紙調査で得られた横断データを使用した分析の結果、母親のASD特性の高さならびに父親のASD特性の高さは、子どもの総合的な困難さの程度を統制した上でもなお、養育における困難の多さに関連することが明らかとなった。本結果について、2020年度に学会発表や論文執筆による発信を行った。現在、第2回目の質問紙調査で得られたデータの入力並びにクリーニングを実施中であり、親子双方の発達障害特性と親子関係、子どもの精神的健康に関する縦断分析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度に実施した第1回目の質問紙調査については、新たに調査協力機関が追加となり、追加分のデータを得ることができた。また、当初の計画通り、第2回目の質問紙調査の質問紙の配布ならびに回収を行うことができたため、おおむね順調に進展していると判断した。2020年度に得られたデータについては、現在、入力ならびにクリーニング作業を進めており、可能な限り早く分析を行い、研究成果を積極的に発信できるよう努めていく。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、2020年度に第1回目調査に回答した際に第2回目調査への継続参加に同意した家庭に対して、第2回目調査の質問紙の配布および回収を行う。その後、2回の縦断調査で得られたデータを使用して、親子双方の発達障害特性と親子関係、子どもの精神的健康に関する縦断分析を行う。研究成果については、国内外の学術雑誌への論文投稿ならびに学会発表により、積極的に発信を行う。また、最終年度であるため、成果をまとめたパンフレットを作成し、研究協力機関ならびに発達障害者支援機関等への配布を行い、社会還元に努める。
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