研究課題/領域番号 |
19K14386
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
井邑 智哉 佐賀大学, 学校教育学研究科, 准教授 (80713479)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 子どもの時間管理 / 時間コントロール感 / 親の時間管理支援 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,時間管理能力の発達過程と,その促進要因に関する一連の研究を通して,「児童生徒の時間管理能力を育む方法」を提案することである。 令和2年度においては,時間管理能力を育む親の支援について検討した。まず,予備調査を行い,子どもの時間管理に対して親がどのような支援を行なっているかについて自由記述で回答を求めた。得られた回答をもとに親の時間管理支援尺度を作成した。次に作成した尺度を用いて親の時間管理支援が子どもの時間コントロール感に及ぼす影響を検討した。527組の親子のデータをweb調査を用いて収集し,分析を行った。 因子分析を行った結果,親の時間管理支援は,①目標設定の支援(例:カレンダーに予定を書かせる),②自律性の支援(例:子どもの意見や考え方をしっかり聞く),③動機の支援(例:やるべきことをやらないと遊べないなど家庭のルールを定めている),環境面の支援(例:静かに学習に集中しやすい環境を作っている。)の4因子に分類されることが分かった。尺度の妥当性は子どもの自立性支援の認知尺度(Soenens et al., 2007)との相関によって確立された。次に,親の時間管理支援と子どもの時間コントロール感との関連を分析した結果,子どもの時間コントロール感に対しては,自律性の支援からのみ有意な正の関連が見られた。これらの結果は,自律的な時間管理を促す親の関わりと,過剰なコントロールについて示唆を与えるものであった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
子どもの時間管理と親の時間管理支援についてweb調査を行った。その中で,親の時間管理支援が子どもの時間管理能力や時間コントロール感に影響を及ぼすことが明らかとなった。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度は引き続き子どもの時間管理と親の時間管理支援の関連を検討してく。特に縦断データを集めることで,どのような影響過程が存在するかを明らかにする。また,時間管理トレーニングを設計し,令和4年度の実践につなげていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
参加を予定していた国際学会が中止となり,渡航費などを使用することができなかった。 また対面での研修会や研究打ち合わせを予定していたが,オンラインで実施することになったためその費用が残った。
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