研究課題/領域番号 |
19K14389
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研究機関 | 江戸川大学 |
研究代表者 |
大塚 紫乃 江戸川大学, メディアコミュニケーション学部, 准教授 (30735684)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 類推 / 問題解決 / 創造的思考 / 児童期 / 認知発達 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、児童期の類推の発達を明らかにすることである。 2020年度において、児童を対象とした個別対面調査を行う計画であったが、新型コロナウイルスの影響もあり、感染症対策のため非対面による方法が可能か、検討を行った。しかし、道具の操作を伴う問題解決課題を用いた調査であるため、非対面による調査では、これまで明らかになっている幼児期の結果との比較が困難であると判断し、対面での実施が再度検討できないか試みた。 類推能力に関連すると予想される「創造的思考力」について、2019年度に大人を対象に検討した。この調査の結果を、2020年度の日本教育心理学総会にて発表を行った。 発表の概要としては、『Unusual Uses Test(”モノ”の通常とは異なる使い方をできる多く挙げる課題。創造的思考力の指標として用いた)によって測定された「柔軟性」(日常で使うモノについて、多様な観点から異なる使い方を考えるような、柔軟に思考する力)が、類推による問題解決の能力と関連することが明らかになった』ということである。 柔軟に様々な方向から思考できる能力は、類推の過程のうち、知っている領域と知らない領域を結びつける「対応づけ」と関連すると推測される。 幼児期においては、類似性が低いものを領域間で対応づけることが困難であり、発達的な差に加えて、個人差も見られた。児童期においても、個人差はあると考えられ、それを説明する一つの要因として、「創造的思考力」が考えられる。児童の「創造的思考力」と「類推」の関係を扱った研究は見られないため、児童を対象として、2021年度に調査を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
児童を対象とする面接調査を計画していたが、新型コロナウイルスの蔓延の影響により、調査を行うことができなかった。また、異なる方法の検討も行ったが、これまでの結果との比較をするうえでも、個別の面接調査でなければ難しく、延長を行うこととした。
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今後の研究の推進方策 |
児童への面接調査を、調査会社の協力を得て対象者を集め、実施をする。面接調査にあたって、現在の社会的情勢を鑑み、感染症への対策を施す。問題解決に関する回答の数的な処理だけではなく、個別のインタビューから、類推による問題解決に至る思考について、質的に分析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響により、調査の実施と調査後の結果入力等の作業が持ち越しになり、それにかかる費用が計上できず、残額が生じた。
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