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本研究課題では，ライフスキル（LS）と首尾一貫感覚（SOC），およびこれらに関連する要因の因果関係を縦断的量的研究により実証的に明らかにすること，加えて，具体的なプログラムが複数提案されているライフスキル・トレーニング（LST）に視座を置きつつ，SOCの強化をも視野に入れたプログラムを開発し，試行と効果検証を行うことを目的としている。この目的に沿い，以下の3段階で研究を実行する計画を立てた。まず研究1としてSOCとLSに関する理論モデルの構築と検証を行い，次に研究2として研究1の結果をふまえた健康教育プログラムの開発に取り組み，研究3として開発されたプログラムの効果検証を行うという手順である。
2022年度は研究2および3の目的に沿い，健康教育プログラムの開発と試行に取り組む計画であった。新型感染症の感染拡大の影響から実験群と統制群を設定するような研究デザインによる効果検証を実施できなかったものの，基礎となるプログラム案を検討することができた。加えて，2020年度より研究3における発展的・副次的な目的として継続していた，SOCおよびLSを測定する尺度の信頼性と妥当性に関する検証と，LSとSOCが関連を持つ健康関連行動ついての検討についても一定の成果を得た。まずLSを測定する尺度の信頼性と妥当性については，4カ国から得られたデータを分析することで国外においても使用可能であることを示すことができた。今後教育プログラムの効果検証を行う際にはこの尺度を使用することで，国際的に比較可能な知見を得ることができる。また，新型感染症に対する予防行動とLSおよびSOCの関連の調査についても，健康行動の関連からプログラムの開発につながる知見を得ることができた。
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