• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

他職種との比較による教師のエンパワーメントの特異性の検討

研究課題

研究課題/領域番号 19K14396
研究機関至学館大学

研究代表者

池田 琴恵  至学館大学, 健康科学部, 准教授 (70734169)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワードエンパワーメント / 教師 / 尺度構成 / ワークライフバランス
研究実績の概要

2022年度は「エンパワーメント」の概念に関する歴史的変遷と実践的批判について文献調査を行った。エンパワーメント概念は,力を奪われた状態にある人やコミュニティが,自己決定,自己統制の力を高めることで,社会参加を高めるものであるが,文献調査においては,エンパワーメントという概念が多様な分野で議論される中で,時に個人主義的な視点から社会的な力を奪われた人々に対して,本人の努力や能力に原因を求めることでさらに状態を悪化させるものになっている危険性を含むことが明らかとなった。このことから本研究の目的の一つであるエンパワーメント概念の測定においては,対人関係や組織の状態のあり方を含めて検討することの必要性が明確になった。また,エンパワーメントは,その過程と状態を分けて測定することが困難な概念であると考えられた。
本研究では教師と他職種のエンパワーメントの特異性について検討することを目的としており,まずワークライフバランスも視野に入れたワーク・エンパワーメントの測定尺度を開発する必要がある。しかし,これまでの研究で示してきた自律性や効力感などの構成要素からなる個々人の心理的エンパワーメントの測定だけではなく,対人関係・組織状態の測定を含めることを目指すこととした。さらに,問題の認識から,対人関係・組織状態に対する認知や認知に基づく判断など,エンパワーメントの過程と状態の2つの視点を一体化して測定する方法を検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

当該期間における産休・育休およびコロナ禍に伴う研究計画の見直しを行った。また,文献調査の過程で,エンパワーメント概念の定義と測定の課題が明らかとなり,エンパワーメント概念の捉えなおしを行ったことで,調査内容を大幅に変更したため。

今後の研究の推進方策

エンパワーメント概念の捉えなおしに伴い,ワーク・エンパワーメントの測定尺度の開発において,自由記述法を用いた尺度項目の抽出を行うこととした。自由記述法による調査は,予備調査を経て,ウェブ調査会社を通じて幅広い職種を対象としたオンライン調査を行う予定である。
ここで抽出された項目をもとに,ワーク・エンパワーメントおよびワーク・エンパワーメントに影響を及ぼす要因に関する量的調査を実施する予定である。

次年度使用額が生じた理由

エンパワーメント概念の見直しに伴い,調査計画の修正に時間を費やし,助成金を使用しなかったため。

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi