研究課題
若手研究
調律的応答の発達的意義をより多角的に検証することを目的とし,Virtual Reality(VR)システムと身体運動計測機器を統合的に用いて,乳児一般への親の身体動作をデータ化するシステムを新規に構築した。このオリジナルの身体動作計測システムを,乳児を子育て中の養育者および非養育者としての大学生に適用し,両者の身体動作上の特徴を比較することを通じて,親の身体動作の特徴を浮き彫りにすることを試みた。さらに,調律的応答の概念的位置づけを整理し,今後の実証的検討が求められる課題を明確化した。
乳幼児発達心理学
異なる発達的段階にある非養育者(大学生)と乳児を子育て中の養育者に対して等しく適用可能な身体動作計測システムを構築したことは,乳児に対する身体動作の微視的な個人差のデータ化とその発達過程の検証を可能とし,親による調律的応答を支える要因のさらなる解明につながるものである。またその知見は,音楽療法を始めとする多種多様な分野への波及効果が期待される。